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「写真は、目の文学である」レミー・ドナデュー(プロカメラマン、グラフィックデザイナー、イラストレーター)
写真は、「光を通してイメージを創造すること」と定義されています。ギリシャ語では、「Photograph」の語源「写真(Photo)」と「グラフ(Graph)」はそれぞれ、「明快さ、明るさ」と「描写、筆記」を意味しています。
それはグラフィックアートの一部なのです - 言い換えると、光を描写したものです。
そもそも写真 -太陽が描くプロセス- は、ジョセフ・ニセフォール・ニエプス(Joseph Nicéphore Niépce)(1765~1833)の監督のもと、1820年代頃にフランスで創始されました。
この記事では写真の歴史をひも解くわけではありませんが、写真の由来を知っておくことに損はありません。
どのフレームを使用するか、自然光または人工光で撮影するか、焦点距離をどう取るか、絞りをどうするか、露光時間をどう調整するか、焦点をどう合わせるかなど、夜間写真や風景写真を撮りたい人も、(家族やその他の人物を撮影する)ポートレート写真の技術を見せつけたい人も、目で見たものをどう撮ればよいかに悩むことでしょう。
偉大な写真家でも、得てして同じような壁にぶつかります。写真を学ぶスタート地点は、テーマを組み立てるところからです。これは写真術の基礎の一部です。
何か特別な秘訣があるわけではありません。ポートレート写真の腕を上げ、息をのむような風景写真を撮影できるようになるには、写真の入門コースを受講し、写真家の目を養うために写真撮影のテクニックを反復練習して身につけるよりほかありません。
以下、最高の写真を創造するためのプロカメラマンのヒントをいくつかご紹介します。
写真撮影とそこで使う写真用語をマスターする
何を始めるにしても、その分野で使う基本的な言い回しを頭に入れておくことが大切です。
ドレミファソラシド、88鍵、黒鍵・白鍵、フレーズの息継ぎ、テンポ、範囲、ハーモニー、和音、・・・ピアノ用語を何も知らないでピアノの弾き方を学べるでしょうか?少し無理がありますね。

購入するのがデジタルカメラだろうとアナログカメラだろうと、使いこなすには新しい分野の語彙を増やし、一連の専門用語を頭に入れることが必要になります。
フランスの写真家のロベール・ドアノー(Robert Doisneau)(1912-1994)や20世紀を代表する写真家のアンリ・カルティエ=ブレッソン(Henri Cartier-Bresson)(1908-2004)のように撮影できるようになる第一歩として、基礎となる基本用語を以下簡単にご紹介します。
基本用語集
- オートフォーカス(AF):自動的にフォーカスできるシステム
- ホワイトバランス:画像の白が写真上で目立つようにするために、色の温度を補正するために必要な調整。
- ノイズ:フィルム写真の粒状感、ざらつきのある大きなピクセル。
- バックライト(逆光):光源とカメラの間に被写体を配置し、被写体の影を撮影する。
- トリガ:シャッターを切るときに押すシャッターボタン。
- 焦点距離:レンズとセンサー間の距離。
- 過焦点距離(ハイパーフォーカル):近くにあるものも遠くにあるものも全てきれいにピントを合わせて撮影する技術。
- シャッター:撮影時露光時間中のみ開いて光がセンサーに「触れる」ようにし、それ以外の時は光をさえぎる装置。
- 露出アンダー/露出オーバー:光が弱すぎる、または強すぎる状態での撮影。
より広範な語彙を集めたオンライン用語集を使えば、カメラの知識を向上させるのに役立つでしょう。
シーリング
露光時間を調整するためのメカニズム。シャッターが光を取り込めば取り込むほど写真は明るくなり、速く閉じれば閉じるほど写真は暗くなります。
ダイヤフラム
撮影時にカメラのレンズを通過する光量を調整できる光学機器です。
絞りが完全に開いていると非常に鮮明な画像が得られ、逆に絞りが閉じていると非常に暗い画像になります。
シャッタースピードと感度の両方で、絞りは露出を調整します。
写真撮影では、絞りを開くことが露出補正の基本要素で、f値(絞り値)の大小でこれを表します。
これらの範囲は、f1.4からf320まであり、f値が小さいほど、絞りの口径が大きくなります。
センサー
センサーはSLRのコンポーネントです。センサーは光束(レンズを通過する光の明るさ)をデジタルコーディングで変換するのに役立ちます。
デジタル写真では、フィルム写真で使用するフィルムの代わりにセンサーを使用します。
そのサイズは、「Advanced Photo System type C」の頭文字を取って「APS-C」と表記されます。
けれども語彙がすべてではありません。PetaPixelが明かす、写真をバッチリ撮るための次の3つのヒントを覚えておきましょう。
1.接近する
有名なフォトジャーナリスト、ロバート・キャパは、「写真が十分良いものではないのは、十分近寄っていないからだ」と言いました。彼はアクションの中に身を投じる大切さを熱っぽく語りました。写真が「ワンと飛び出して」きていないように感じるなら、テーマに一歩か二歩近づいてみてください。フレームを被写体でいっぱいにして、余計なスペースを空けることなく撮影して、写真がどれだけ迫真のものになるかをその目で確かめてみてください。被写体に近づけば近づくほど、被写体の表情もよく見えるものです。
2.毎日撮影する
「スキルを磨くための王道は、繰り返し練習することだ。何度も、何度も、練習することだ。被写体が何であろうと、できる限りたくさん撮影すること。カメラのファインダーを何時間ものぞきこんでみてもらいたい。時とともに技術的スキルが向上するにつれて、ストーリーを紡ぐ自分の腕に磨きがかかっているはずだ。 どう撮るかにあまりこだわらなくても大丈夫。成功と失敗を繰り返すうちに、自身のスタイル、そして自身の「声」が間もなく聞こえてくるだろう。そしてそれは練習することで、より本物に近づくのだ」。-リア・ロバートソン
リア・ロバートソン(Leah Robertson)は、音楽とドキュメンタリー写真を専門とする、メルボルンを拠点に活動する才能あふれるフォトグラファー兼ビデオグラファーです。こちらから彼女の作品を垣間見ることができます。
3.光を見る
カメラを構える前に、光が差し込む方角を見極めてください。そしてそれを活かしてみてください。それが太陽の自然光だろうと、ランプのような人工の光源だろうと、より良い写真を撮るためにそれをどう活かしたらよいかを考えるのです。光はシーンや被写体とどのように関わり合っているでしょうか?エリアを強調しているのでしょうか、それとも興味深い影を落としていますか?光は、普通の写真を並外れたものにするために利用できる十八番になることでしょう。
写真の撮影の仕方を学ぶ:被写界深度、フレーミング、構図
写真の構図を考えることは、「フレームをどう埋めるか」を意味します。つまり、紙に焼き付けたい美しいイメージとすべての要素に息吹を与えることを意味します。

このため、フォトフレーミングは写真クラスの基礎を成し、敬意を払うべき最も重要なテーマの1つなのです。
構図は、たとえば不要な要素、自動車や建物を回避することによって、画像を分かりやすくしたり、状況を拡大したりすることで、最終的なレンダリングの質を高めるのに役立ちます。
構図とフレーミングは切っても切れない関係にあります。
写真家になることはそれほど難しいことではありません。駆け出しの頃は、慣れないテクニックを扱っているという感覚を覚えるでしょうが。
たとえば、風景を際立たせるための黄金律の一つは、三分割法です。
三分割法を正しく使用するには、レンズを水平に3等分し、さらに垂直に3等分したグリッドを頭に思い描く必要があります。そうすることで、構図の3分の1を空に、残りの3分の2を陸(風景)に当て、さらに被写体をそのイメージ内の線と線の結び目に配置するといったことができるようになります。
この法則を適用したら、撮影対象の人や動いている物体をフレーミングする必要があります。
これは「被写界深度」を調整すると呼ばれています。これは、絞りの開口部とシャッター速度を調整することに注意を払い、画像のすべての要素が適切に設定されていることを確認するところにコツがあります。被写界深度を深くしてパンフォーカス状態で撮るのか、背景をぼかすためにそれを浅くするかを決めます。
そして最後に忘れてならないのが、光です。露光時間を調整することで、状況に応じて写真が露出オーバーになったり、露出アンダーで暗すぎたりするのを防ぎます。
長時間露光は夜間の撮影に適していますが、短時間露光は、日中の明るい場所や動く被写体を撮影するのにピッタリです。
オンラインで写真を学ぶのに非常に良いサイトはPhoto Sharingです。このサイトでは、写真のレベルを向上させるためのチュートリアルと無料コースを提供しています。
ここまでは理論づくめでした。では、ポートレート写真や風景写真を実際にどのように撮影したらよいのでしょうか?
ポートレート写真を撮るための10のヒント
ポートレート写真の最初のポイントは、シャッターを切る前に静止することです。身体を動かすと、素晴らしい写真を撮るチャンスを逃してしまう可能性があります。

呼吸を落ち着かせ、脇を絞めるなど、撮影前に動かないようにするコツがいくつかあります。
ポートレート写真を撮影する際、三脚を使うこともよくありますが、理由なく使っているわけではありません。プロカメラマンのように、被写体のポートレート写真を撮るためのヒントを以下ご紹介します。
- 被写体の視線に焦点を当てる。
- (手動モードで設定を調整したくない場合)一眼レフカメラを自動絞りモードにする。
- 開口を大きくして光量を増やし、肌をより明るく見えるように修正する。
- 目の前にできるだけ多くのスペースを空ける。
- 反射板(明るい色の壁など)を使う。
- 日陰で立ち、被写体を光の中に置いて撮る。
- 逆光でもない、順光でもない、被写体の斜め後ろに太陽がある程度の半逆行で撮る(特に女性)
- モデルにポーズを取ってもらうときに曲線、スペース、三角形を作成して、シルエットをより良く出させ、その形状が強調されるようにする。
- カメラマン側の手前にある目にピントを合わせて撮る
- 余裕をもって写真撮影する
- 被写界深度、自然光、環境を駆使して被写体を強調する。
- モデルとの自然なつながりを確立する。
もう一つのヒントは、最良の観点を見極めることです。モデルと同じ高さで撮影することはまだしも、決して見下ろした角度で撮影しないようにしましょう。
3分割法を念頭に置いて、テーマを意識して、見渡すように撮影します。
良い風景写真を撮るための10のヒント
美しい風景写真よりも優れた贈り物などあるでしょうか?
素晴らしい自然写真を撮ったり、動物の愛くるしい姿やプレゼントをもらったときなど、美しい瞬間をカメラに収めたりするのに、なにもプロのカメラマンである必要はありません。

ほとんどのカメラで、オートモードで写真を撮る技術を学ぶことができます。
以下、風景写真を上手く取るためのヒントをいくつかご紹介します。
- 風景に照らされた光を観察して、輪郭、雰囲気、色彩をはっきりと頭に入れる。
- 黄金律の三分割法を用いる。
- 地平線を中心に据えない。
- 夜明けや夕暮れは昼間よりも色映えする。
- 天気を味方につける:朝もや、雨や風がもたらす色とコントラストは趣深いものになる可能性。
- レンズに偏光フィルターを使用する。撮影後の加工なしでもより鮮明な写真にするために。
- 好みによっては、前景にあるモノは写真を飽和させたり豊かにしたりすることができる。
- 最高の「スポット」を見つける:色は一日を通して変化し続け、たった1時間違うだけで大きく違う。1年の異なる季節に同じ場所に足を運んで撮影してみる。
- 線が消えるように撮影して遊び心を利かせる:写真を見る人の視線を意図的にあるモノに向かわせる
- 撮影の練習を日々積み重ねること。写真撮影に失敗はありません。大まかな構想を描ければ、次により良いものが撮影できるでしょう!
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