Chapters
- 01. 管理会計とは
- 02. 財務会計とは
- 03. 結論:原価計算と財務会計の違い
大部分の人が、会計は非常にドライで退屈なテーマだと感じています。会計の意味がわからず、事実や数字に関連する物事にうとくなってしまっているのです。
一方、中にはこのような概念を理解し、通勤中に精力的に数字ゲームに勤しむ人たちもいます。
あなたが後者だとしたら、管理会計と財務会計の違いがすんなり頭に入るかもしれません。
2つの分野を対比する前に、各分野に固有の特性を見てみましょう。
管理会計とは

簡単に言えば、管理会計は、企業の経営陣に費用情報を提供する機能を果たし、将来の事業開発を計画し、事業に関する意思決定を行えるようにします
公認会計士協会は、管理会計とは何かについて広義の定義を用意していますが、本記事では簡単にご説明します。
結局のところ経営者がビジネスの意思決定者であることから、そのようなデータに関心があるのは、経営者だろうと思うかもしれませんが、実際には、そのようなデータを処理し、それを上層部に伝達しているのは中間管理職です。
グローバル化に取り組む国内企業のシナリオを見てみましょう。
考慮事項(法律や環境など)の中で、必要な財政支出と会社の運営コストへの影響、さらには純収益の創出が最も重要です。
ただ実際には、管理会計を扱う会計士が着目しているのは、常にそれほど劇的で広範囲に及ぶわけではありません。
ある自動車メーカーが、最新の提案モデルの生産ラインを改善するコストを見積もる必要があるとします。
何を改善しなければならないかに関心があるのは、経営陣だけではありません(もうお分かりですね)。
フロアマネージャーは、新しい生産を展開するために正確に何を変更する必要があるかを経営陣よりもはるかによく知っており、管理会計士が見積もりの数字を予測したら、マネージャーが経営者と会ってそれらの調査結果を提示します。
経営陣は、費用の提案に異議を述べたり、コストを削減したり、逆に支出をすぐに承認したりする場合もあるでしょう。
経営陣はコストを可能な限り低く抑えにかかるのが、一番可能性が高い反応でしょう。
当然、そろばんに腕まくりするのはマネージャー自身ではありません。
そのため、企業財務部門および会計部門全体がそのような財務報告書の作成に専念し、財務諸表の分析につきマネージャーを啓発するのが合理的です。
そのような会計士が社内で働いているか、独立した会計事務所に会計を委託するかは、事業の性質によります。
グローバル化を計画している企業は、おそらく社外の会計士による監査が求められるでしょう。
一方自動車メーカーは、自社の機密情報やノウハウの漏洩防止を重視するメーカー体質により、管理会計に特化した会計士を常駐させる可能性が高くなります。
管理会計士と公認会計士(財務会計士)を区別する重要な要因は、扱うデータの機密性にあり、管理会計士が扱うデータは社内に留まります
つまり、管理会計士が扱うデータの編集と分析結果は財務諸表に公開されず、債権者、投資家、税務当局の目にとまりません。
管理会計士が果たす役割には、他にも次のものがあります。
- データに基づいて財務予測を行う
- リスクを分析し、財務的な成長の機会を見つける
- 改善の傾向と機会を特定する
- 個別事業の資金調達を手配する
- 会社の財務システムを構築/維持する
- さまざまな部門内で予算コンプライアンスを実施する
企業の財務責任者の役割と機能が明確になったところで、財務会計の詳細を見てみましょう。

財務会計とは
「財務会計」は幅広い用語で、企業の財務データの記録、要約、および報告のプロセスを包含しています
財務会計士は、企業の内外を問わず、企業のあらゆる支出を追跡しますが、その分析結果は企業経営者にのみ報告されるわけではありません。
株主、投資家、税務当局など、企業外の組織にも報告されます。
また、報告書を作成するか、少なくとも帳簿を規制当局が閲覧できるようにしておきます。
会計原則は、管理会計または財務会計が関係しているかどうかにかかわらず不変ですが、内部的に精査するため、財務会計は特定の基準に従って行われます。
日本の一般に公正妥当と認められた会計原則は、会社法や金融商品取引法で定められた会計の基準を表しています。
ほとんどの国には同様の基準があり、グローバルに取引する場合は、国際的な財務報告基準にさらに準拠する必要があります。
実際、米国では、証券取引委員会(SEC)に報告する、国が定めた独自の会計基準があるため、企業は国際基準を採用するために国内プログラムから離れています。
会社の財務会計は、財務諸表として一般的に知られています。財務諸表は、会社の財務データを5つの主要な分野に分類し、提示します
その分類には、以下があります。
- 資産:企業の価値を示したもの
- 負債:企業の負担になる可能性があるもの
- 支出:費用は資産にも負債にもなり得ます
- 資本:返済の必要のない資金の調達源泉。また、未払いの株主利益も意味する可能性があるもの
- 収益:多くの場合、ボトムラインと呼ばれるもので、すべてを計算した後、会社がどれだけ儲かったかを示します
株主として、会社が行うすべての金融取引の詳細には関心はないかもしれませんが、経営陣と管理職は、詐欺や浪費を防止するために貸借対照表を精査します。
アメリカの大統領による監督規制の後退は、一部の投資家を不安にさせています。半年ごとに報告するだけでいいため、企業は会計情報と財務実績を偽って伝えかねないからです。

結論:原価計算と財務会計の違い
2つの会計概念の基本的な違いは、原価計算は事業計画と戦略のために内部で使用される会計であるのに対して、財務会計は外部報告で使用するものだという点です
外部へ報告する際は、税務機関、証券取引等監視委員会や株主へ提出・報告する必要がある可能性もあります。
法律では管理会計報告書の提出は義務付けられていませんが、会社は法律上会社の財務の健全性と支払能力に関する定期的な報告書を投資家と規制当局に提出することが義務付けられています。
組立ラインの改造や国際市場への拡大など、管理会計は必要に応じて行われます。
それとは対照的に、財務情報の報告は、年次報告、半期報告、四半期報告、月次報告と、特定の時期に小分けして行う必要があります。一部の企業では、毎週報告しているところもあるほどです!
現在の管理会計データに特に決められた形式があるわけではありません。けれども、財務会計については、他の企業と簡単に比較できるように、特定の形式で報告する必要があります。
管理会計の事業部門別報告は、事業全体に輪をかけて、個々の事業ごとに行う報告です。
財務会計は、事業全体に関するもので、個々の事業部門の業績データが過去に行った報告から何らかの変更・変動がある場合は、その部門の業績を含める可能性があります。
管理会計の焦点は未来にあります。現在のデータを取得し、将来どのような金融イベントがあるかを予測します。たとえば、予算の不足や超過などです。
このタイプの会計は他にも、計画と戦略立案に焦点が当てられます。ビジネスリーダーは潜在的な将来の収益性に基づいて、事業の拡大または多様化を計画します。
一方、財務会計は、今日の業績と比較してこれまでの業績はどうだったかに焦点を当てます。
SPLY(Same Period Last Year)という用語は、前年同期比を意味し、ビジネスの成長と収益の評価に役立ちます
今年の事業は前年の同時期と比べて同等かそれ以上の収益上げているでしょうか?
昨年の純利益が今年の純利益よりも少ない場合、企業は成長したと主張できます。けれども、今年の貸借対照表の収益が昨年よりも低かった場合は、株主に損失を報告する必要があるでしょう。
最後に、管理会計報告をいつ、どのように、どのような形式で行うかに関する規則はありませんが、財務会計報告にはそれを管理する非常に具体的な規則があります。
これらの基準は、前述の一般に公正妥当と認められた会計原則またはIFRSという国際的な会計基準のいずれかによって規定されています。
2種類の企業会計のさらなる違いについては、この記事をご覧ください。
これから会計の学位を取ろうとしており、会計と財務のどの分野を専攻しようか迷っている方は、これら2つの専門分野のどちらにより興味があるかを考えてみてください。
すでに企業会計や会計管理に携わっている方は、おそらくこの2種類の会計の違いを深く掘り下げることで、キャリアアップに役立てられるかもしれません。
根拠
一般的に、管理会計プロセスに携わる人にはより多くのプロジェクトが割り当てられる傾向があります。これは、ビジネスのさまざまな側面の財務状況を分析・報告する機会が増えることを意味します。
また、管理会計士として昇進するチャンスもあるかもしれません!
けれども財務会計士は、サイクルごとに同じタイプの財務分析と報告を行うことに特化します。
仕事の充実感は、データ中に何らかの異常を見つけてそれを調査することから味わえます。
どちらのタイプの会計を選択するにせよ、すぐにアルゴリズムやオートメーションに駆逐されることはないでしょう。あなたのスキルはコンピューターが取って代われるようなものではないのです。
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