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- 01. 演劇スキル:創造性のその先
課外活動に参加したり、新しい趣味を始めたりすると、決まって新しいスキルセットとイマジネーションを獲得するのと同時に、人生の貴重な処世術も身に付けることができます。演劇のクラスを受講することもその例に洩れず、得られる自信はコミュニケーションスキルに大きな影響を与えられるかもしれません。
演劇スキル:創造性のその先
どのような職種だろうと、コミュニケーションスキルは成功のために不可欠です。求人広告の応募資格で最初に挙げられる要件は、大抵口頭と筆記の優れたコミュニケーションスキル、それに計算能力です。学校の授業以外でもその基本的なスキルを獲得する道があることを覚えておいてください。
たとえば、演劇のレッスンでは、会話、台詞の分析、パフォーマンスに焦点を当て、アクセントや方言に関する知識を身につけながら、姿勢、ポジティブなボディーランゲージ、表情による表現についても学ぶことができます。
単純な指示にも従えない従業員は使えるでしょうか?また部下の懸念に耳を傾けることができずに上司は務まるでしょうか?

演劇は、重要なコミュニケーションスキルを伸ばすのに驚くほど威力を発揮します
コミュニケーション技術は人生を生き抜くのに不可欠で、職場でうまくコミュニケーションが取れれば特に武器になります。会議で、またはオフィスで自分の視点を上手く伝えられるのを良いコミュニケーターだと思う人もいるかもしれませんが、コミュニケーションができることとそれを上手くできることとの間には大きな違いがあります。
演劇レッスンを受けることは、コミュニケーションスキルを磨くため、そして特に聞く能力を高める素晴らしい方法です。ここで問題となっているのは、指示を単に聞いて処理する能力ではありません。指示を受け取り、それを真に理解し、適切な方法で対処することです。要点を理解したように振る舞うことは、真に理解したことと同義ではありません。さらに、経験豊富な演技のインストラクターから演劇のヒントを得ることで、仕事関連の交渉をよりきめ細かく優雅に進めるのに役立ちます。
演劇のレッスン中、志を同じくする仲間たちと交わることになります。その者たちは自分とは違った行動と態度を見せることで、対応するのが難しい局面もあるかもしれません。
演劇や舞台への情熱を共有できる人たちと出会うかもしれませんが、仲間たちが演劇スクールで表現することと意見の一致を見るとは限りません。演劇のワークショップで声が大きく、鈍感な人たちと付き合っていくことを学ぶことで、職場のほぼすべての人たちを受容する心の広さをきっと身につけられることでしょう。お互いに話を聞き、耳を傾け、共同で意思決定を行うことができる双方向の対話ができるようになることは言うまでもありません。
即興のセッションを通じて創造性が向上することは想像に難くないでしょう。これにより、上司とのブレーンストーミング会議で地に足のついた考えを出すのに役立ちます。

演技を学ぶことで、社会的スキルの向上に役立つ
最終的に理解してもらえるまで何度も何度も繰り返し説明しなければならないことほどイライラするものはありません。会話に身が入らない人、周りの環境に気が散って集中できない人にはならないようにしましょう。
同じ様に、友人とうなずきながら大げさに話しているけれども、実際には夜のパーティで何を着ようか考えているような人にはならないでください。
会話と関係のないことで頭がいっぱいになると、会話の糸が切れ、しばらく自分の世界に入り込んでしまいがちです。聞く技術は、大切な人を離さないようにするのに重要です。聞く姿勢を見せることで、その人の感情のひだに敏感であることを示し、より相手と関わり機敏な反応を見せることができるようになるからです。
スピーキングとリスニングは、デジタル通信のため消滅するスキルであると言われますが、テクノロジーが助けにならないときは、相互のコミュニケーション能力がものをいいます。
そして正直なところ、人生で本当に重要なメッセージを伝えるには、書くよりも話した方が伝わるケースがほとんどです。
管理的な理由から、苦情や専門的な問題は書面に書き起こす方が賢明な場合もあるでしょうが、電子メールや手紙を送った後、テーブルについて面と向かって対話することで得られるものもあります。
ショップで割引や返品手続きの交渉を行う際、無意味な電子メールを無数にやり取りするよりも、店長と対面で話し合った方が、物事がはるかに容易に進むとは思いませんか?演劇のレッスンでは、バランスのとれたコミュニケーションスキルを学べます。つまり、困難な状況でも落ち着いて、注意深く耳を傾け、物静かに丁寧に対応する方法が学べるのです(舌を噛んでしまいそうな状況でも!)。
演技のトレーニングで学ぶさまざまな種類のパフォーマンスを通じてこれらのスキルを身につけることができます。それにはたとえば、サンフォード・マイズナーの手法(マイズナーテクニック)、メソッド演技法、リー・ストラスバーグの哲学、ステラ・アドラーの演技法、アレクサンダー・テクニークなどがあります。これらのテクニックから、直感を活かす、その瞬間に発露する自発性を受けとめる、即興的な受け答えをする、感情を投影するなどの術を学べます。
社会的スキルを向上させる方法:自分の話を聞いてもらい、相手の話を親身に聞き入る
リスニングは役者にとって特に必要不可欠なスキルです。特に即興で芸を披露する機会が頻繁にあり、間髪おかずに反応して相手の言葉に対してリアクションを取らなければならない人には特にそれが言えます。さらに、共演者の話に入り込んで聞くことで、より迫真のパフォーマンスでそのシーンを盛り上げることができます。ただ自分の話す番をじっと待っていたのではこうはなりません。
マイズナーテクニックは、今その瞬間に打ち込むアイデアを特に促し、舞台上の俳優以外に部屋に誰もいないと想像します。
それに対してメソッド演技法では、継続的なコミットメントが求められ、俳優や女優は、舞台を離れてからも役柄の個性のあらゆる側面に目を向け、それになりきるように促されます。このような献身的な方法で創造的なパフォーマンスを準備し、キャスティングされた役柄を仲間の前で徹することは簡単なことではなく、内面の強さが求められます。目標達成に向けてエールを送ってくれる家族や友人の前で演じるときは言うまでもありませんね!
演技のトレーニングに真剣に打ち込めば、エミー賞やオスカー賞にだって手が届くかもしれません!
その結果、そのシーンはリハーサルされた一連のやり取りではなく、真の対話になります。

さらに、テレビ番組、メロドラマ、ミュージカル、映画など、画面や舞台上で演技を見る人は、演劇レッスンで学ぶような優れたリスナーになることでメリットを享受できます。見ている演技を本当に評価し、それを最大限に活用できるためです。
パフォーマンスを評価する努力をしなければ、受身のリスナーになってしまいます。
話が聞こえること(ヒアリング)と聞くこと(リスニング)の間には大きな差があります。
ヒアリングには労力はさほど必要ありませんが、リスニングは詳細をつかむために積極的に耳を傾ける必要があります。自分にオープンに話してくれる人を気遣うときも、相手の話を聞くというプロセスをスキップして、相手によかれと問題をすぐに解決しようとしたり、ソリューションを探したりするのに頭を巡らせるかもしれません。けれども人はただ泣くのに肩を貸してほしいだけで、話をただ真剣に聞いてもらいたいときだってあるのです。
学校は、演劇レッスンが生徒にもたらすポジティブな点と、学校のカリキュラム中のコミュニケーションと対人スキルにどのようにプラスの効果をもたらすかを熟知しています。
職場でのコミュニケーション技術:演劇により立ち居振る舞いが優雅に
演劇のレッスンでは、身体の動きと表現技法について学びます。これは、相手に対して話を聞いている姿勢を見せるのに役立つだけでなく、実際に耳を傾けるのにも役立ちます。レッスンやリハーサルで、そして舞台でもそれは発揮されます。このレッスンは、私生活や仕事上の行動にも影響を与えます。
演技を学んでいる間、姿勢やボディーランゲージ(笑顔、アイコンタクト、うなずくことによる非言語の同意など)といった重要なスキルについて学べ、さらにタイミングをマスターするのに役立つ話し方のヒントが得られます(つまり、話の割って入り方、まとめ方、言い換え)。
そのため、演技のテクニックを習得することで発達する一連のコミュニケーションスキルにより、魅力の力をほんの少し借りる必要がある状況で、輝くことができるでしょう。たとえば、気難しい上司がいる場合、その冷淡な態度への対応の仕方を変えることで(つまり、目もうつろに椅子に深く腰かけるのではなく、微笑みかけ、熱心に耳を傾け続けることで)場を和やかにし、お互いに協力し合いながら働くことさえできるでしょう。
有名なアクティングスクールに登録することに興味がある方は、地元の演劇コースをオンラインで検索し、参加者の声や評価を読み、どのようなことを学んだか、演劇のキャリアでどう成功を収めたか、またなぜ演劇とは違う道に進むことにしたのかが分かることでしょう。
自信を高め、コミュニケーション能力をアップするのに役立つ以外にも、映画界を志したり、ブロードウェイで演じることを夢見たり、また単に趣味として演技を楽しんだりするのもいいでしょう。また、履歴書に目を引くスキルを載せ、感情を支配し、オーディションとインタビューのテクニックを磨くのにも役立ちます。
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