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経済学:理論か科学か

作成者 Yuki、公開日 26/04/2019 Blog > アカデミック > 経済学 > 経済学:理論か科学か

経済学を実際に科学とみなすことができるかどうかは、諸説紛々としている点です。この議論は長い間続けられてきましたが、3人の経済学者がノーベル経済学賞を受賞した2013年にその最高潮に達したようです。

3人が受賞したこと自体は何の変哲もないニュースのように思われるかもしれませんが、受賞に際して多くの人が首をかしげたのは、賞を受賞した次の2人の経済学者が互いに相反する見解を持っているように見えたからです。その二人とは、

物理学や化学などの科学の目的は多くの場合、単一の原則や真理の追及であると考えると、そのような規則は経済学の分野には適用されず、経済学者同士は自由に異論を唱え合うことができるように見えます。

問題のノーベル賞が授与されてから5年後、この議論は解決されたのでしょうか?残念ながら、端的に言うと、答えはノーです。議論は両極端に広がりを見せ、経済学は科学なのか、社会科学なのか、はたまたまったく科学とは似ても似つかないものなのかについて、議論が未だに交わされています。

以下、経済学を科学として考えるのがなぜ難しいのかを考える上で根底に横たわる問題について見てみましょう。さらに、上記の議論により、経済学をあるテーマとして見る見方を根本的に変えるべきではない理由も概説します。経済学は、私たちが行動する原理をよりよく理解するのを助ける非常に重要な分野であることに変わりはないからです。

経済学は科学か?

自然科学は、ウェブスター辞典で次のように定義されています。

「物質、エネルギー、それらの相互関係や変容、あるいは客観的に測定可能な現象を扱う科学(物理学、化学、生物学など)」

法律や政治などの社会科学に関しては、ウェブスター辞典では次のように定義されています。

「人間社会の制度と機能、そして社会の一員としての個人の対人関係を扱う科学の一分野」

実際には、ノーベル経済学賞のフルネームはノーベル記念経済科学賞(Nobel Memorial Prize in Economic Sciences)であるという事実にもかかわらず、辞書の定義からは明らかに、経済学は、自然科学というよりも社会科学に属する学問分野であるという仮定が支持されるように見えます。

人々が経済学を社会科学と呼ぶ方が心地いいと感じる理由はいくつかあります。

経済学の定義について調べてみましょう。

客観性と政治

経済学者が直面している難題に、データを検証する際、それを客観的に見るのは難しいことがあります。「ガチな」科学とは対照的に、経済モデルには、経済分析の基礎となる比較・対照テストがないことがよくあります。

さらに、経済モデルや経済実験によって導き出された結果は、以下に応じて、個々人の解釈を挟む余地があります。

  • 経済学者が結果のどの側面に注視するか
  • 経済学者が結論に達するために使用する方法論
  • 経済学者がデータを調べる際、経済分析を適用する方法

客観性と密接に関係しているのは、多くの経済学者の考え、モデルおよびアプローチが、その政治的信念によって、あるいはその時々の政治的管理や、経済とその時に直面している経済問題に対するアプローチによって大きく形作られるという事実です。

経済モデルやシステム内のこの固有のバイアス、そして不確実性さえも考えれば、経済学は真の意味で科学とはなり得ないし、これからもそうならないだろうと主張する人もいます。

経済学の領域を考えると、中立的な立場を保つのは難しいかもしれません。(ソース:Public Domain, House, Wikimedia Commons)

実験の限界

経済学を自然科学として分類することに対して提起されるもう1つの議論に、物理学者、生物学者などは仮説を検証するための対照実験を用意することができ、それにより確固たる結果を導き出して結論に達することができるのに対して、経済学の実験ではそうはいかないという点があります。

基本的に、経済学は人間の行動、そしてそれが経済にどのような影響を与えるかの研究です。人間の行動は、たとえば原子の行動や性質ほど具体的なものではありません。実際、個人の行動はとっさに動的に変化する可能性があるため、人間の行動は予測不可能なところがあります。

このため、経済実験は制御された環境で実行することは不可能ではないにしても困難であり、さらにある規則を人間の行動と意思決定に普く適用するような結論を導き出すことは、ほぼ不可能です。このように、経済学で行う研究は、個人または経済が特定の状況下でどのように行動・機能するかの指標となりうる「最善の推測」結果を生み出します。

けれども、それは経済学の実験には価値がないというわけではなく、また経済理論の数値的要素は単に見せびらかしに過ぎないということでもありません。今日、多くの経済学者が、経済問題を研究するのに、経済学の内的な働きを理解する一助として数学と統計を組み合わせたものを活用しています。

この分野は計量経済学として知られており、大学の経済学の学位の一部、あるいは卒業後は経済学の一つの立場とされています。

経済科学は必ずしも自然科学と同じではありません。(ソース:CC0 1.0, OpenClipart-Vectors, Pixabay)

経済学は社会科学か

上記のように、多くの人は、経済学は、それが科学であるとしても、化学やその他の科学の一門というよりも、社会科学の分野に属すると主張する向きがあります。

けれども、この一般的な結論を経済学のすべての分野に適用することは果たして公平でしょうか。経済学には複数の学派があり、さらにテーマとしての経済学は、以下を含む多くの個々のニッチの学問分野で構成されています。

  • 国際経済学
  • 環境経済学
  • 金融経済学

さらに、学問分野としての経済学は、ほぼ2つの分野に分けられます。その一つはマクロ経済学の分野で、全体的に経済を俯瞰します。他方、個人レベルでの人間の行動と、その行動がより広い経済に与える影響を研究しようとするミクロ経済学があります。

興味深いのは、経済学が科学であることに対して課せられた理論的議論の多くは、ミクロ経済学よりもむしろマクロ経済学の領域に向けられたものである傾向がある点です。

これは、マクロ経済学は、その性質上、深いレベルの洞察を得ることがはるかに難しいためです。これは、全体としての発展とその影響について観察、テスト、論説することが困難なためです。

確かに、ケインズ主義からマネタリズムまでの多くのマクロ経済理論は、経済を安定させ、富を創造するために必要となる要素ついて矛盾する理論を提示してきました(大学の学部生は講義でその話を耳にすることもよくあると思います)。

一方、ミクロ経済学は、再現可能で観察可能な経済動向と結果を生み出す方法でテストするのがはるかに簡単です。

国際市場の研究は経済科学の一分野と見なすことができます。(ソース:CC0 1.0, AhmadArdity, Pixabay)

経済科学を理解する

経済学が本当に科学と考えられるかの議論は何年にもわたって行ったり来たりしていますが、その点は本当に重要なのでしょうか?

経済学を勉強することの重要性は、それが科学か、社会科学か、はたまたまったく科学とは無縁の学問分野かで低下することは決してありません。

基本的に、経済学は、個人がどのように行動しお互いに作用し合うか、そして私たちの行動の癖や特徴がリソースの共有の仕方をどのように決定づけるかを研究する学問分野です。

人間の状態と私たちがどれほど合理的かを理解することが経済学の核心部分にあり、そして人間の性質は非常に予測不可能な部分があるため、経済学はそれ自体自然科学と呼ぶことはできないのかもしれません。

けれどもそれは、経済モデル、理論、研究、数学的、統計的、その他の方法が有用ではないという意味ではありません。

そのような研究が水晶玉のように結果を占ったり、たとえば2008年の金融危機を予測したりする可能性は低いとはいえ、経済学は次のことを私たちに教えてくれます。

  • 地域経済または世界経済はどれほど順調に推移しているか
  • より高い税金を課すことで経済にメリットはあるのか、それとも規制の強化を実施することでメリットはあるのか
  • 経済はインフレまたはデフレの時期にさしかかっているのか
  • どうすれば経済成長を促進できるか、または少なくともそれを維持できるか

その意味で、学問分野としての経済学は依然として重要であり、それは広く敬意を払われている研究分野です。

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  • ミクロ経済学またはマクロ経済学
  • 需要と供給の法則
  • 景気循環とそのマクロ経済理論との関わり
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