Chapters
- 01. 世界中でのポルトガル語話者人口の多さ
- 02. ポルトガル語が世界中に広まった理由と経緯
- 03. ポルトガル旅行
- 04. マデイラ諸島でのポルトガル語学習
- 05. ブラジル旅行
- 06. アフリカ旅行でのポルトガル語学習
大半の人がポルトガル語の話者人口は少なく、ポルトガルとブラジルでしか使われていないと考えていますが、それは全くの誤解です。
意外に思われるかもしれませんが、ポルトガル語は4つの大陸に跨る 9ヶ国および中華人民共和国マカオ特別行政区の公用語なのです。
つまり、この言語を覚えればポルトガル、ブラジル、アンゴラ、東ティモールなどの国に旅行しても困りません。
ポルトガル語は常に進化している言語なので、国により多少の違いがあります。
語学スキルを磨くために旅に出て、世界4大陸でポルトガル語会話を習得しましょう。
世界中でのポルトガル語話者人口の多さ
もちろん、早い段階から学ぶ外国語を選ぶ時に真っ先にポルトガル語を思い浮かべる人は少ないでしょう。大半の人は語学学校で英語、アラビア語、ドイツ語、スペイン語、中国語を習うことを検討すると思います。
しかし、ポルトガル語を習得すると様々なメリットが得られます。ひとつには、ポルトガル語の話者人口はトップ10に入り、イベリア半島を超えて遠い場所でも話されています。
ユネスコでは、このロマンス諸語の話者人口は2050年までに約3億3500万まで増加すると予測しています。

ポルトガル語の世界的普及は、ポルトガルの植民地政策の歴史に起因します。現在、ポルトガル語は世界で7番目に話者人口が多い言語です。英語と同様にローマ字を使っているため、英語圏の人にとっては日本語やアラビア語、中国語を学ぶより簡単です。
また、ポルトガル語は下記をはじめとする国際機関でも主要な位置を占めています。
- 欧州連合 (EU)
- アフリカ統一機構 (OAU)
- 米州機構 (OAS)
- 南米南部共同市場 (MERCOSUL)
- イベロアメリカ州立組織 (OEI)
- 南部アフリカ開発共同体 (SADC)
- ラテン連合 (LU)
ポルトガル語が世界中に広まった理由と経緯
賢明な読者なら、ポルトガル語が自国外に広まった理由は探検と征服による植民地化であることを見抜いているでしょう。
フランス、スペイン、英国などの欧州諸国と並びポルトガルが世界探検に力を入れていたのは15世紀前半から17世紀初期の大航海時代です。
ポルトガル語は2015年に誕生から800年を迎えました。ポルトガル語の書物が初めて著されたのは12世紀末ですが、この言語がポルトガルの領地から世界に広まった経緯を見ていきましょう。
最後に、ポルトガル語のことを「珍妙な言語」と言うジャーナリストもいますが、それでもこの言語は新興メディアでも人気が高く、インターネットでは5番目に多く使われている言語で、ポルトガル語圏のインターネットユーザは8300万人もいます。

フェルディナンド・マゼランやヴァスコ・ダ・ガマなどの偉大な探検家に率いられたポルトガル船はリスボンを発ってケープ・オブ・グッドホープ州まで航海した後、インドへの航路を発見しました。その過程で、彼らは次の場所に到着しました。
- アフリカ
- アメリカ
- アジア
- オセアニア
スペインやフランスよりずっと先に植民地化を進めていたポルトガル帝国が1580年から1640の間にスペインに王位を明け渡すことがなければ、ポルトガル語圏の範囲は今と全く違うことになっていたでしょう。
ポルトガルはインド洋、ペルシャ湾、シナ海、日本海に接する植民地を他の国に譲った後、ブラジルの植民地化に専念します。これは17世紀のことで、ポルトガルの国と言語にとって大きな転機となりました。
ポルトガル人がアフリカに大量移住するようになったのは19世紀になってからでした。現在でも下記の国でポルトガル語が使われています。
- アンゴラ
- モザンビーク
- ギニアビサウ
- カーボベルデとサントメ・プリンシペ共和国
ポルトガル旅行
ポルトガル語を勉強しているなら、当然その生誕地にも行ってみたくなるでしょう。ここで歴史をおさらいしておけば、世界におけるポルトガル語の重要性を理解できるくらいまでポルトガルの歴史と文化 に詳しくなれます。また、五感を呼び覚ますこともできるでしょう。夏期講習やポルトガル語のオンライン講座のテキストブックに記載されたポルトガル文化は、ポルトガルの料理、建築、動植物と密接に繋がっています。
ポルトガルでは年間300日が晴天です。新しく言語スキルを取得すれば、クリスティアーノ・ロナウドの生誕地で現地の人たちとポルトガル語でコミュニケーションがとれるでしょう。
また、五感を呼び覚ますこともできるでしょう。夏期講習やポルトガル語のオンライン講座のテキストブックに記載されたポルトガル文化は、ポルトガルの料理、建築、動植物と密接に繋がっています。

就職のためのポルトガル語習得についての記事もご覧ください。
リスボンでのポルトガル語学習
一般的に、ポルトガル旅行での最初の目的地は首都リスボンの場合が多いです。 リスボンは美しい都市で、その建築物と自然の風景の素晴らしさはパリに匹敵します。
新たに習得したポルトガル語のスキルがあれば、通りを散策して下記をはじめとする都市の観光地を見て回れます。
- ベレンの塔、ジェロニモス修道院、サン・ジョルジェ城などの歴史的建造物
- アルファマ、バイシャ、バイロ・アルト(日の出まで営業しているレストランやバーで有名)地区
- 歴史のある通りを経路とする都市最古のトラム28をはじめとする路面電車
- 20世紀初頭にエッフェル塔で有名なギュスターヴ・エッフェルの生徒により建てられた、都市の素晴らしい景観を提供するサンタ・ジュスタのリフト
- パステル・デ・ナタ(カスタード入りエッグタルト)やタコ料理などの郷土料理
マデイラ諸島でのポルトガル語学習
国の美しさを自然の美で競うなら、ポルトガルはマデイラ諸島の美しい風景を推薦するでしょう。
「花の島」や「大西洋の真珠」と呼ばれるほどの美しい景観を誇るマデイラ島はモロッコに近い海岸沿いに位置し、素晴らしい眺めや野生のイルカとの遊泳などの体験で観光客を常に楽しませてくれます。
この島の見所のひとつは、咲き乱れる色鮮やかな花です。マデイラ島には道路、都市、庭園、ビーチ、ピコ・ド・アリエイロ山、ルイボ山があり、島の高台には亜熱帯の照葉樹林が広がっています。
ポルトガル語を使える外国人は島の住民とすぐに仲良くなって、この島での滞在を満喫できるでしょう。
ブラジル旅行
ポルトガル語は局所的な言語ではなく高低アクセント、文法、発音の違いはありますが世界各地で話されています。特定の国だけでポルトガル語を学んだ人は、その違いに必ず戸惑います。
1494年から1822年までポルトガルの植民地だったブラジルでは、ブラジル人が話す公用語はポルトガル語ですが、元のポルトガル語とは余りにも違いが大きいため、ブラジルポルトガル語と呼ばれています。
その歴史、国民、独立により、南米最大の国土面積を有する国は欧州のイベリアポルトガル語と同じ構造を持ちながらいろんな点で母国とは違う言語を創出しました。
実際、ブラジルで使われているポルトガル語はソフトな口調と優しいアクセントなど歌のような特徴を持っています。話者人口2億人を超える世界最大のルゾフォニア(ポルトガル語圏)は、ヴァスコ・ダ・ガマの言語を自分たちのバージョンに改変したのです。公用語が共通であるにもかかわらず、ポルトガル人とブラジル人の間でお互いのことばが通じないという場面を目撃することのはこのためです。
ここで、語彙の違いの例をいくつか挙げておきます。
英語 日本語 | ポルトガル語 | ブラジルポルトガル語 |
Reception 受付 | Receção | Recepção |
Train 列車 | Trem | Comboio |
Bus バス | Ônibus | Autocarro |
Costume 衣装 | Terno | Fato |
Buttock 尻 | Bunda | Rabo |
Mirror 鏡 | Sorvete | Gelado |
Teacup ティーカップ | Xícara | Chávena |
Fridge 冷蔵庫 | Geladeira | Frigorífico |
Brown 茶色 | Marrom | Castanho |
リオデジャネイロ
はじめてブラジルを旅行する人は、リオデジャネイロに行く可能性が高いでしょう。自国の学校、語学スクール、プライベートレッスンでポルトガル語を学習してきた人は、リオで使われているポルトガル語のアクセントにすぐに慣れることができるでしょう。
リオデジャネイロで話されているポルトガル語は、鼻にかかった発音の他に下記の特徴があることを覚えておいてください。
- 「r」を「h」と発音すること
- 単語または音節の語尾の「s」は「ch」と発音して、その後に「t」、「c」、「f」、「p」の黙子音が続くこと(例:meus pais(私の国)→mi-ouch)
- 他にも色々挙げられますが、大体のポイントはこんなところです。南米および南半球の第一言語のブラジルバージョンを理解するためには、これらの特徴に適応しなければなりません。他にも下記の相違点があります。
- ポルトガルと違い、目上の人への「あなた」も目下の人への「君」という呼び方のどちらに対しても「você」を使う
- 一部のことばのスペル
- 動詞活用の簡略化(例:「おめでとう」の挨拶がブラジルポルトガル語では「parabens」ですが、欧州のポルトガル語ではふたつの動詞で表す
アフリカ旅行でのポルトガル語学習

モチベーションを高めるためにポルトガル語を習得するメリットについて知りたい人は、ポルトガル語がアフリカの複数の国でも話されているという事実を覚えておいてください。
アフリカ大陸は東部と南部は主に英語圏、西部と北部は主にフランス語圏で、ポルトガル語圏が存在することは忘れられている場合もあります。
アフリカ旅行は、母なる大地のそばでポルトガル語を練習したい人には絶好の機会でしょう。
アフリカでポルトガル語を公用語としている国は、次の6ヶ国です。
アンゴラ
1975年11月11日に独立するまで、このアフリカの大国はブラジルと同じ道を辿ることになるだろうと想定されていました。
中央アフリカと南アフリカの境に位置するアンゴラは、ブラジルに次いで2番目に大きなポルトガル語圏で、人口はブラジルとモザンビークに次いで3番目です。
大西洋に面したこの国では、他にも42の民族語が話されています。
欧州が経済危機に陥った際には、ポルトガル人労働者たちは職を求めてアンゴラに渡航しました。
カーボベルデ
長い間、カーボベルデはポルトガル人が権利を独占していましたが、1975年7月5日に独立してからカーボベルデ諸島の人たちが国民となりました。
歌手セザリア・エヴォラがリトルカントリーと呼んだカーボベルデ半島はセネガルの沖に位置し、観光客にはあまり知られていません。ポルトガル人入植者とアフリカ人奴隷の混血が増えた結果、カーボベルデは独特な魅力を持った観光地となっています。
ギニアビサウ
ギニアビサウはケニアのサファリから遠く離れた場所に位置します。設備や観光サービスが整備されていないこともあり観光客がほとんどいないこの西アフリカの小国は、1500年からポルトガルの植民地でした。
ギニアとセネガルの間に位置するこの沿岸国は、世界で最も貧しい国のひとつです。
1973年9月24日に独立した後もギニアビサウの公用語はポルトガル語のままですが、国で主に話されている言語は最古のポルトガル語系クレオール諸語のひとつであるギニアビサウ・クレオール語です。
モザンビーク

1975年6月25日のモザンビーク独立記念日に、国内統一のためにポルトガル語は国の公用語として採用されました。
モザンビークに独り旅する予定の人は、ポルトガル語を話せる人は国民のわずか30%で、ポルトガル語を母国語としている人は全体の僅か5%であることを心に留めておいてください。
サントメ・プリンシペ
ギニア湾上のガボンの海岸と赤道ギニア付近に位置するふたつの小島から構成されたサントメ・プリンシペは、アフリカの小国です。
この旧ポルトガル植民地は1975年の独立以来、ポルトガル語を公用語としています。
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