有名画家を一言で表すなら、時代の見方そのものを変えた表現者です。海外ならレオナルド・ダ・ヴィンチ、モネ、ゴッホ、ピカソ、日本なら雪舟、横山大観、草間彌生がその代表格に挙げられます。
絵を見るのは好きだけど、「画家の名前となると案外知らない…。」展覧会でも「この色づかい、好きだな」とは思えても、描いたのが誰で、いつの時代の人なのかまでは知らないまま。ゴッホやモネは挙がっても、その先が続かないという人は少なくありません。
そこで本記事では、海外・日本画・現代アートの3つの軸で有名画家30人を時代順に整理し、代表作と国内で実物に会える場所まで一覧にまとめました。読み終えるころには、名前と絵がしっかり結びついているはずです。また、記事の最後には、絵画をマンツーマンで学べる「Superprof(スーパープロフ)」についても紹介しています。
有名な画家一覧|時代の見方を変えた表現者

有名画家とは、優れた作品を残しただけでなく、その後の美術の流れを動かした画家を指します。名前が残るかどうかは、画力の高さだけで決まるわけではありません。
まずは、30名の有名な画家を一覧形式でご紹介します。
| 画家名 | 生没年 | 国 | 様式 | 代表作 |
|---|---|---|---|---|
| ヤン・ファン・エイク | 1395頃-1441 | フランドル | 初期フランドル派 | アルノルフィーニ夫妻像 |
| ボッティチェリ | 1445頃-1510 | イタリア | 初期ルネサンス | ヴィーナスの誕生 |
| レオナルド・ダ・ヴィンチ | 1452-1519 | イタリア | 盛期ルネサンス | モナ・リザ |
| ミケランジェロ | 1475-1564 | イタリア | 盛期ルネサンス | システィーナ礼拝堂天井画 |
| ラファエロ | 1483-1520 | イタリア | 盛期ルネサンス | アテネの学堂 |
| エル・グレコ | 1541-1614 | スペイン | マニエリスム | 受胎告知 |
| カラヴァッジョ | 1571-1610 | イタリア | バロック | ユディト |
| レンブラント | 1606-1669 | オランダ | バロック | 夜警 |
| フェルメール | 1632-1675 | オランダ | バロック | 真珠の耳飾りの少女 |
| ゴヤ | 1746-1828 | スペイン | ロマン主義 | 裸のマハ |
| ターナー | 1775-1851 | イギリス | ロマン主義 | 戦艦テメレール号 |
| マネ | 1832-1883 | フランス | 印象派の先駆 | 笛を吹く少年 |
| ドガ | 1834-1917 | フランス | 印象派 | 踊りの花形 |
| セザンヌ | 1839-1906 | フランス | ポスト印象派 | サント・ヴィクトワール山 |
| モネ | 1840-1926 | フランス | 印象派 | 睡蓮 |
| ルノワール | 1841-1919 | フランス | 印象派 | ムーラン・ド・ラ・ギャレット |
| ゴッホ | 1853-1890 | オランダ | ポスト印象派 | ひまわり |
| クリムト | 1862-1918 | オーストリア | ウィーン分離派 | エリザベート・レーデラーの肖像 |
| ムンク | 1863-1944 | ノルウェー | 表現主義 | 叫び |
| ピカソ | 1881-1973 | スペイン | キュビスム | ゲルニカ |
| ポロック | 1912-1956 | アメリカ | 抽象表現主義 | ナンバー7A |
| ウォーホル | 1928-1987 | アメリカ | ポップアート | ショット・セージ・ブルー・マリリン |
| バスキア | 1960-1988 | アメリカ | 新表現主義 | 無題 |
| 雪舟 | 1420-1506頃 | 日本 | 水墨画 | 天橋立図 |
| 狩野永徳 | 1543-1590 | 日本 | 狩野派 | 唐獅子図屏風 |
| 伊藤若冲 | 1716-1800 | 日本 | 江戸絵画 | 動植綵絵 |
| 横山大観 | 1868-1958 | 日本 | 近代日本画 | 無我 |
| 上村松園 | 1875-1949 | 日本 | 近代日本画 | 序の舞 |
| 東山魁夷 | 1908-1999 | 日本 | 近代日本画 | 道 |
| 草間彌生 | 1929- | 日本 | 現代アート | 南瓜 |
名前が残る画家の3つの共通点
歴史に名を刻んだ画家には、共通する条件があります。
- それまで誰も試さなかった技法や主題に踏み込んだこと。
- 後続の画家が模倣し、流派や運動へと広がったこと。
- 後世の研究者や評論家が価値を掘り起こし、評価を定着させたこと。
3つ目の力は想像以上に大きく、生前は無名だった画家が数百年後に巨匠へ変わる例もあります。伊藤若冲がまさにそうで、江戸中期には人気絵師だったものの一度は忘れられ、1970年に美術出版社から刊行された美術史家・辻惟雄『奇想の系譜』をきっかけに再評価が進みました。技法や様式による絵画のジャンル分けを押さえておくと、こうした評価の変化も掴みやすくなります。
画家・芸術家・アーティストの呼び分け
呼び方に迷う人も多いはずです。「画家」は絵を描く人を指す限定的な語で、「芸術家」は彫刻・写真・映像なども含む広い概念にあたります。
現代では絵画の枠を越えて活動する人が増えたため、草間彌生や村上隆は「画家」より「アーティスト」と呼ばれるほうが自然でしょう。ただし絵画作品を軸に語る場面なら、画家と呼んでも誤りではありません。
落札額で見る有名画家ランキング
「一番有名な画家は誰か」という問いに、唯一の正解はありません。ただし市場が付けた金額という物差しなら、検証できる順位を示せます。
まずは実際の数字を見てみましょう。金額は手数料込みで、個人間売買は含みません。
| 順位 | 作品 | 画家 | 落札額 | 落札年月 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | サルバトール・ムンディ | レオナルド・ダ・ヴィンチ | 4億5030万ドル | 2017年11月 |
| 2 | エリザベート・レーデラーの肖像 | グスタフ・クリムト | 2億3640万ドル | 2025年11月 |
| 3 | ショット・セージ・ブルー・マリリン | アンディ・ウォーホル | 1億9500万ドル | 2022年5月 |
| 4 | ナンバー7A | ジャクソン・ポロック | 1億8120万ドル | 2026年5月 |
| 5 | アルジェの女たち(バージョンO) | パブロ・ピカソ | 1億7940万ドル | 2015年5月 |
注目したいのは2位です。クリムトの肖像画は20分におよぶ競り合いの末に落札され、近現代美術作品としては史上最高額となりました。オークション全体でも歴代2位にあたります。
一方、ネットでよく見かける「有名画家ランキング」の多くは、読者投票をもとに作られています。母集団の年齢や国が変われば、順位は簡単に入れ替わってしまうものです。
順位を扱った記事に出会ったら、次の3点を確かめてください。
- 誰が決めたのか:投票なのか、編集部の主観なのかを見ます。
- 何を基準にしたのか:落札額なのか、来館者数なのか、単なる人気なのかを確認します。
- いつの数字か:市場も来館者数も動くため、更新日を必ず見てください。
美術館所蔵の名品は売買されないため、落札額ランキングにはそもそも登場しません。《モナ・リザ》が1位に来ないのは、「価値が低いからではない」という点を押さえておきましょう。
世界三大画家とは誰?定説はない
結論から述べると、「世界三大画家」を定めた公式な出典は存在しません。ネットの情報の多くは3人を断定していますが、根拠は示されていないのが実情です。
美術史で定着しているのは「ルネサンス三大巨匠」という言い方で、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロの3人を指します。美術出版社の書籍などでも、この3人をまとめて扱う枠組みが用いられてきました。世界三大画家という言葉は、この呼称が一般向けに言い換えられたものと考えるのが自然です。
3人は同じ時代を生きながら、まったく異なる才能を発揮しました。
- レオナルド・ダ・ヴィンチ: 絵画のみならず解剖学や工学にも通じ、《モナ・リザ》では輪郭をぼかすスフマート技法で人物表現を一新しました。
- ミケランジェロ: 生涯を通じて彫刻家を自任しつつ、システィーナ礼拝堂天井画という巨大な仕事を成し遂げています。
- ラファエロ: 先行する2人の成果を吸収して調和の取れた構図を完成させ、「美の規範」と呼ばれる存在になりました。
ルーヴル美術館
ルーヴル美術館は2025年に900万人超を集め、世界一の来館者数を維持しました。同館の公式サイトによれば、来館者のおよそ7割が《モナ・リザ》の鑑賞を目的にしています。混雑を受け、専用展示室の新設も進行中です。
海外の有名画家を時代別に紹介
海外の巨匠は、時代ごとに関心の対象が移り変わってきました。西洋絵画の歴史を細かく追う前に、まずは代表的な画家を時代順に並べて眺めてみてください。
ルネサンスからバロックの巨匠
15世紀のフランドルでヤン・ファン・エイクが油彩技法を洗練させ、緻密な写実表現が可能になりました。イタリアでは遠近法が確立し、ボッティチェリが神話を主題に選びます。
17世紀に入ると、カラヴァッジョが強烈な明暗対比を持ち込み、絵画は劇的な緊張感をまといました。レンブラントは光の扱いを心理描写にまで高め、フェルメールは室内に差し込む自然光で静かな日常を描き切ります。
印象派を築いた画家たち
転機は1874年に訪れました。同年4月15日、パリのキャピュシーヌ大通りにある写真家ナダールのスタジオで、モネやルノワールら約30名がグループ展を開きます。

出品されたモネの《印象・日の出》を批評家ルイ・ルロワが酷評し、風刺新聞に「印象派の展覧会」と題した記事を書きました。
皮肉として投げつけられた言葉が、そのまま運動の名前として定着したわけです。
屋外に出て光と空気を捉えるという姿勢は、ドガやセザンヌ、さらにゴッホへと受け継がれていきます。
1853年から1890年まで、37年の生涯でした。
オランダに生まれ、南フランスで制作しました。
《ひまわり》《星月夜》
20世紀を変えた前衛の画家
20世紀の画家たちは、目に映るとおりに描くという前提そのものを疑いました。ピカソは対象を分解して複数の視点を1枚に同居させ、ムンクは不安という内面を画面に定着させます。クリムトは金箔と装飾で官能を表現しました。
こうした実験の積み重ねが、のちの抽象絵画へとつながっていきます。
アメリカの有名画家と現代アートの旗手
美術の中心は、第二次世界大戦を境にパリからニューヨークへ移りました。
ポップアートを広めた画家
ポロックは床に広げたカンヴァスに絵具を滴らせ、描く行為そのものを作品にします。1948年に生み出したこのドリップ・ペインティングによって、彼は絵画制作を偶然に委ねるようになりました。
一方、ウォーホルはスープ缶やマリリン・モンローを大量に複製し、大衆文化と美術の境界を消し去ります。芸術は特別な題材から生まれるものだ、という常識が覆された瞬間でした。《ショット・セージ・ブルー・マリリン》は2022年5月、1億9,500万ドルで落札されています。
今の市場が評価する作家
落札者:前澤友作
現代アメリカ美術の評価は、上がり続けています。バスキアの《Untitled》は2017年5月、サザビーズ・ニューヨークで1億1,048万ドルで落札され、アメリカ人アーティストとして史上最高額を記録しました。落札したのは日本の実業家・前澤友作氏で、当時のレートで約123億円にのぼります。
2026年5月にはポロックの《ナンバー7A》が1億8,120万ドルで落札され、同作家の記録を更新しました。市場の熱はまだ冷めていません。
日本画の有名画家と代表作

日本画とは、明治期に西洋から入った油彩画と区別するために生まれた呼び名で、和紙や絹に岩絵具と膠を用いて描く絵画のことです。日本美術の歴史を知ることで、画家たちのこともより深く理解できます。
近代日本画を築いた画家
横山大観は1868年に水戸で生まれ、1889年に東京美術学校の第1期生として入学し、岡倉天心の薫陶を受けました。1898年には天心とともに日本美術院の創設に参画します。
盟友の菱田春草とともに、輪郭線を抑えた「朦朧体」と呼ばれる描法を編み出したものの、当初は蔑称として扱われ作品は売れませんでした。それでも大観は歩みを止めず、1937年に文化勲章を受章します。同時期には上村松園が女性の姿を気品ある線で描き、鏑木清方が市井の情緒を描き取りました。
1868年から1958年まで、90年を生きました。
日本美術院の創設に参画し、近代日本画を刷新しました。
《無我》《生々流転》
菱田春草とともに朦朧体を生み出しました。
戦後から現代へつなぐ画家
戦後は東山魁夷が静謐な風景画で広く親しまれ、平山郁夫はシルクロードを主題に据えます。加山又造は伝統的な装飾性を大胆に再構成し、2003年に文化勲章を受けました。
近年も日本画の系譜は途切れていません。滝を描き続ける千住博が日本芸術院賞・恩賜賞を受け、上村淳之や田渕俊夫は文化勲章を受章しています。技法は次の世代へ着実に渡されました。
世界で評価される日本の芸術家
今もっとも国際的に知られる日本の芸術家といえば、草間彌生でしょう。水玉と網目のモチーフで知られ、2016年に文化勲章を受章しました。分野は「絵画・彫刻」として登録されています。
奈良美智の《Knife Behind Back》は2019年、サザビーズ香港で約2,500万ドルという高値で落札されました。日本の作家が世界市場で正面から評価される時代に入ったことを、この数字が物語っています。
日本三大画家は誰?
「日本三大画家」にも、やはり定まった答えはありません。そこで客観的な指標として、国宝の指定件数を見てみましょう。
文化庁の広報誌によれば、雪舟の作品は6件が国宝に指定されており、これは個人として最多の数です。2位は桃山時代を代表する狩野永徳で、《唐獅子図屏風》などが名を連ねています。ここに近代日本画を確立した横山大観を加えれば、時代を代表する3人として無理のない並びになるはずです。
1420年に生まれ、1506年頃に没したとされます。
日本の備中(現在の岡山県)に生まれた禅僧です。
作品6件が国宝に指定され、個人としては最多です。
後世に「画聖」と称されました。
《天橋立図》《四季山水図巻》
有名画家の作品をもっと楽しむコツ

名前を覚えたら、次は実物に会いに行く番です。
作品を見る前に押さえる3つの視点
美術館で立ち止まる時間を有意義にするには、見る順番を決めておくと違いが出ます。
- 構図を見る:画家が視線をどこへ導こうとしているかを探ってください。
- 光を見る:どちらから光が当たり、何を照らし出しているかに注目します。
- 背景を知る:誰の依頼で、どんな時代に描かれたかを添えると、印象が一変します。
この3点を意識するだけで、通り過ぎていた絵が語りかけてくるようになります。さらに一歩進んで自分でも筆を持ちたくなったなら、水彩画の描き方から始めるのが手軽です。
日本で名画に出会える美術館
海外に行かなくても、本物の名画は国内で鑑賞できます。
| 作品 | 画家 | 所蔵先 | ひとこと |
|---|---|---|---|
| ひまわり | ゴッホ | SOMPO美術館(東京) | アジアで唯一ゴッホのひまわりを見られる美術館。 |
| 受胎告知 | エル・グレコ | 大原美術館(岡山) | 日本にあるグレコ2点のうちの1点。 |
| 睡蓮 | モネ | 国立西洋美術館(東京) | 松方コレクションの中核をなす一枚。 |
| アルルの寝室 | ゴッホ | 国立西洋美術館(東京) | 戦後フランスから返還された375点の1つ。 |
| 動植綵絵 | 伊藤若冲 | 皇居三の丸尚蔵館(東京) | 全30幅の国宝。公開時期は要確認。 |
国立西洋美術館は、実業家・松方幸次郎が集めた作品のうち、フランスから寄贈返還された375点を核として1959年に開館しました。SOMPO美術館の《ひまわり》は1987年にロンドンのクリスティーズで落札され、以来ずっと新宿にあります。
絵画を効率よく学びたいなら個人レッスン
名画を見ているうちに、「自分でも描いてみたい」という気持ちが芽生えた人もいるでしょう。憧れの画家が使った技法は、独学よりも人から教わると圧倒的に早く身につきます。
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まとめ
有名画家を理解する鍵は、「名前・時代・代表作」という3点セットにあります。海外ではルネサンスから印象派、20世紀の前衛へと関心が移り変わり、日本では横山大観から草間彌生へと系譜がつながってきました。
世界三大画家も日本三大画家も、実は明確な定義を持ちません。だからこそ、国宝の件数や落札額といった検証できる指標に立ち返ると、評価の輪郭がくっきり見えてきます。
そして何より、実物に会いに行くことが理解への近道です。上野でモネを、新宿でゴッホを、倉敷でエル・グレコを見られる国に暮らしている幸運をぜひ活かしてください。
AIで要約










絵を描くkとが好きです 基礎的なことを学びたいと思っています