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「希望はドミノのようなものよ。ひとつ倒れると、残りも倒れ出すの」 トーキョー『ペーパーハウス』
契約者数1200万人のNetflixは、米国ではテレビやYouTubeよりも視聴者数が多い映像配信会社です。
マドリードのダンススクールを舞台とした『一歩前進/One Step Forward』シリーズ以降、数多くのスペインドラマが国外に進出しています。
Netflixでは、スペインドラマの他にも『ブラック・ミラー』、『ヴァンパイヤ・ダイアリーズ』、『ダウントン・アビー』をはじめとする多くのドラマシリーズの権利を買い取っています。Netflixのストリーミング配信サービスやTVショーのおかげで、新しいショー、古典作品、コメディ、アニメ、短編作品を視聴して、ファイナルシーズンの放送前に番組をチェックできます。
この記事では、スペイン語を学ぶためにNetflixで今週末にまとめて視聴できる面白いスペインドラマをご紹介します。視聴者の好みは様々ですが、ここではコメディ、ゴールデンタイムの番組、TVショーを含めた様々なタイプを含めるようにしました。
La Casa de Papel(邦題:ペーパーハウス)
アレックス・ピナが監督した 『ペーパーハウス』は、Netflixのライブラリに追加される前にスペインのテレビ局アンテナ3で放映されました。

ストーリー
教授はマドリードの王立造幣局をターゲットとした空前絶後の強盗計画を実行するために、失うもののない8名を雇います。
目的は、造幣局に侵入して50ユーロ紙幣で24億ユーロを印刷することです。難関は、11日以内に実行しなければならないということと、人質を一切傷つけずに成功させなくてはならないという条件です。教授は外から計画を指揮します。
一味は人からは金を盗まず、誰も殺さないという強いモットーがあります。彼らはグアンタナモ湾収容キャンプの囚人のような赤のつなぎと、アノニマス・グループのようなダリのマスクを着用しています。
キャスト
- 教授(セルジオ・マルキナ/サルバドール・マーティン)演:アルヴァロ・モルテ
- トーキョー(シレーネ・オリヴェイラ)演:ウルスラ・コルベロ
- ベルリン(アンドレス・デ・フォノリョサ)演:ペドロ・アロンソ
- ナイロビ(アガタ・ヒメネス)/演アルバ・フローレス
- リオ(アニバル・コルテス)/演:ミゲル・エラン
- デンバー(ダニエル・ラモス)/演:ハイメ・ロレンテ
- ストックホルム(モニカ・ガスタンビデ)/演:エステル・アセボ
- モスクワ(アグスティン・ラモス)/演:パコ・トウス
- ヘルシンキ(ヤシン・ダサエフ)/演:ダルコ・ペリッチ
- オセロ(ラドコ・ドラギッチ)/演:ロベルト・ガルシア
- ラケル・ムリージョ刑事 /演:イジアル・イトゥーニョ
感想
プロットは少し単調ですが、すぐにサスペンスに引き込まれます。登場人物は全員が個性的で魅力があります。エピソードを通して、登場人物の背景がわかってきます。特に、オセロとヘルシンキについてのストーリーの掘り下げは秀逸です。
シーズン3などんな展開になるでしょうか。
スペインについては、「スペインについての基礎知識」もご覧ください。
Las Chicas del Cable(邦題:ケーブル・ガールズ)
ラモン・カンポス原作、ジェマ・R・ネイラ制作の『ケーブル・ガールズ』シリーズは、Netflixで視聴できます。

ストーリー
1928年のマドリード、4人の女性が電話会社の交換手に採用されました。それぞれが家庭の事情を抱え、また勤務している最先端の職場は男性に支配されていました。このシリーズでは、女性たちは独立を勝ち取ろうと格闘します。ドラマでは強く独立心旺盛な女性として登場人物を描いています。
彼女たちは家庭内暴力から逃れるための離婚や夫からの合意なしに銀行から金を引き出すために奮闘します。
『ケーブル・ガールズ』では女性たちの権利のための闘いにおける光明がテーマになっています。
キャスト
- アルバ・ロメロ・メンデス(別名リディア ブランカ・スアレス)/演:ブランカ・スアレス
- カルロタ・ロドリゲス・デ・セニロサ /演:アナ・フェルナンデス
- アンヘレス・ヴィダル /演:マギー・シバントス
- マルガ・スアレス /演:ナディア・デ・サンティアゴ
- サラ・ミラン(別名オスカル・ルイス)/演:アナ・マリア・ポルボローサ
- フランシス・ゴメス /演:ヨン・ゴンザレス
- カルロス・シフエンテス /演:マルチン・リバス
感想
このシリーズではゲイ、ポリアモリー(相手の了解を得て複数のパートナーと同時に恋愛すること)、フェミニズムなど多数の深刻なテーマを扱っています。独創性はありませんが、プロットはよく練られています。
ポジティブでユーモアがあり、またハラハラする要素が満載なので多くの視聴者の心を捉えるでしょう。展開は陳腐な場面もありますが、それでも中毒性の強いドラマです。
スペインの歴史に興味がある方は、「スペインの歴史」もご覧ください。
Elite(邦題:エリート)
カルロス・モンテーロ原作のこのスペインドラマは、『ゴシップ・ガール』にミステリーの要素を加えた学園ドラマです。

ストーリー
このシリーズは、国内随一の名門校であるラス・エンシナス高が舞台です。ここで授業を受ける機会を与えられた生徒たちはエリートと呼ばれます。
労働階級出身の3人の生徒が奨学金を受け取り、この高校に編入することになりました。しかし、他の生徒たちは社会的階層の違いから、彼らに好意的ではありません。
いじめや屈辱の最中、ひとりの生徒が殺されます。
犯人は一体、誰でしょう。
キャスト
- マリナ・ヌニエ・オスナ /演:マリア・ペドラザ(『ペーパーハウス』のアリソン・パーカー役)
- サムエル /演:イーサン・エスカミラ
- グスマン・ヌニエ・オスナ /演:ミゲル・ベルナーディア
- クリスチャン・バレーラ・エスポシト /演:ミゲル・エラン(『ペーパーハウス』のリオ役)
- フェルナンド「ナノ」・ガルシア・ドミンゲス /演:ハイメ・ロレンテ(『ペーパーハウス』のデンバー役)
- ポーロ /演:アルヴァーロ・リコ
感想
『ゴシップ・ガール』と『殺人を無罪にする方法』を足して2で割ったような面白い内容になっています。このショッキングなシリーズには文化の違い、恋愛、セックス、犯罪などあらゆる要素が盛り込まれています。メインキャストとなる3人の新入生は、他の脇役たちよりも真摯で魅力的なキャラクターになっています。
若い人たちをターゲットとした名作です。
「スペインの著名人」についてもご覧ください。
Polseres Vermelles (邦題:レッド・バンド・ソサエティ)
『レッド・バンド・ソサエティ』はアメリカ版リメイクですが、オリジナル版の『Polseres Vermelles』はセリフがカタルーニャ語のスペインドラマで、2011年から2013年までTV3で放映されました。リメイク版は米国でFox社により放送されました。

ストーリー
病院の小児病棟で生活するティーンたちの物語で、米国版はシーズン1で打ち切りになりました。
作品のタイトルは、患者が着用するリストバンドから付いています。
リメイク版よりもスペイン語の吹き替えでのオリジナル版の視聴をおすすめします。
キャスト
- リェオ /演:アレックス・モネール
- ジョルディ /演:イゴール・シュパコフスキ
- ロック /演:ニル・カルドナー
- クリスティーナ /演:ジョアナ・ビラプイグ
- ヤニス /演:ミケル・イグレシアス
- トニー /演:マーク・バラゲール
感想
3度の癌を乗り越えた人気脚本家・映画監督のエスピノーザ・アルベルトの物語をベースとしたこの作品は、優しさとユーモアに溢れています。病院を舞台とした他のドラマと異なり、物語の英雄は医師ではなく若い患者たちです。
登場人物は病を患いながらも希望と生命力に満ちています。エスピノーザ・アルベルトは「病院での死因は病気ではなく無気力だ」と語っています。この作品はシチュエーション・ コメディではありませんが、コメディの要素も含まれています。コメディタッチと機能不全の社会的環境におけるドラマが巧みにブレンドされたた名作です。t
テレビにあまり興味がない人は、「スペイン語ヒット曲10選」をご覧ください。
Vis a Vis(邦題:ロック・アップ / スペイン女子刑務所)
アレックス・ピナが監督した 『ロック・アップ』は、2015年にスペインのテレビ局アンテナ3で放映されました。アンテナ3ではこのシリーズを解約しましたが、2018年にFOXスペインが買い取りました。
ストーリー
上司と恋に落ちた若い女性が、彼のために横領で女子刑務所に収監されます。この後、彼女は複数の罪でクルス・デル・スール刑務所に入れられます。
彼女は刑務所での暮らしについて学ぶ必要がありました。囚人生活の中で、彼女は強盗により奪われた大金がどこかに隠されていることを知ります。 その強盗の共犯者のひとりが、彼女と同房でした。
そして彼女は思わぬところから大金の隠し場所の手がかりを発見します。彼女は刑務所で生き残るために、これを利用しなければなりません。
キャスト
- マカレナ・フェレイロ /演:マギー・シバントス
- スレマ・ザヒール /演:ナイワ・二ムリ
- ファビオ・マルチネス /演: ロベルト・エンリケス
- アントニオパラシオス /演:アルバート・ヴェラスコ
- ミランダ・アギーレ /演:クリスティーナ・プラサス
- カルロス 通称「サンドバル」 /演:ラミロ・ブラス
感想
このドラマは『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』と『プリズン・ブレイク』を足して、サスペンスと強引なひねりを効かせた作品です。一部の登場人物は魅力的ですが、ストーリーには改善の余地があります。
吹き替えではなく、オリジナル版で視聴することをお勧めします。Netflixは数多くのスペインドラマを配信しているので、『デアデビル』、『ブレイキング・バッド』、『ハウス・オブ・カード 野望の階段』や『イッツ・オールウェイズ・サニー・イン・ フィラデルフィア』などのアメリカのドラマではなく、NetflixやHBOでのストリーミング配信で面白いスペインドラマを一気に視聴できます。また、モバイル機器でも視聴できるので、通勤中もスペイン語を学習できます。
大半の海外ドラマや映画はアメリカの作品ですが、テレビの大画面でもスマホの小さな画面でも、スペインのコメディ、書き下ろしドラマ、刑事もの、犯罪ドラマやゴールデンタイムの面白いスペイン番組を視聴できます。
もちろん、スペインや中南米ではドラマや映画の予算は限られているので、『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』、『センス8』、『Bloodline/ブラッドライン』、『グッド・ワイフ』、『アレステッド・ディベロプメント』、『ジェシカ・ジョーンズ』のような豪華さは期待できませんし、予算ではアニメの『ボージャック・ホースマン』にすら敵わないでしょう。
また、スペインのドラマや映画はハリウッドの超大作のように洗練されてもいません。大スターは出演していませんが、驚くことにNetflixで配信されている最高の作品にはスペインドラマも含まれています。
今夜はどのスペインドラマや映画を観る予定ですか?
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