Chapters
- 01. ムエタイの起源
- 02. ムエタイの基本テクニック
- 03. ムエタイのルール
- 04. ムエタイの歴代チャンピオン
ムエタイについて知っておきたいこと
「ボクサーが一番得意なことは拳で殴り合うことだ」– 『ロッキー・ザ・ファイナル』でのロッキーの台詞
ストレス発散や心身の活力増進を含めて、ボクシングには多くの利点があります。
西欧式ボクシングは世界中で最も有名な格闘技スタイルで、フランス式ボクシング(別名サバット)は権威あるフランスボクシング連盟により世界中から多くの熱狂的なファンを集めています。 しかし、第3の格闘技も強烈な魅力を放っています。
そう、第3の格闘技であるムエタイを忘れてはいけません
その名が指し示す通り、ムエタイは激しいモンスーンで有名な東南アジア諸国で生まれました。
ムエタイは、人生を変えたいと思っている格闘家や他の人と違うことをしたい選手の間で特に人気があります。 多くの場合、ムエタイに挑戦する人は英国式ボクシングやフランス式ボクシングのルールに縛られずに違うスタイルの格闘技を習得したいと考えています。
その理由については、後にわかるでしょう。
ムエタイの起源
ボクシングには数世紀にも遡る長い歴史があることをご存知でしたか?どんな競技にもそれぞれの歴史と背景があるし、ムエタイも例外ではありません。
ムエタイが体系化され、現在のスタイルに近いバージョンに近代化されたのは16世紀でした。
タイを連想させる「ムエタイ」という名前は古来からの正式名称です。また、この名前はムエボーラン(古式ムエタイ)との関連性を示しています。このようなアジア風の響きはバンコクでは一般的です。
博識な人なら、武術は東南アジア諸国では神聖視されていると想像できるでしょう。実際、西欧人がキックボクシングを見ると、東洋で言う武術を思い浮かべます。
タイは現地の慣習が残る偉大な国で、このムエタイの祖国ではタイ式ボクシングは複数の「流派」に分かれます。「タイ式の戦い」を意味する「ムアイ」の接頭辞に北部では「タサオ」、中部では「ロッブリー」、東部では「コラット」、南部では「チャイヤー」の語尾が付きます。

各流派で特定のテクニックを重視していますが、国技とされているのはムエタイです。政府や軍隊はこのスポーツを信奉していて、この500年間で兵士の訓練の一部として採用されてきました。
バンコクはタイの首都であると同時に、ムエタイの中心地でもあります。
西欧でムエタイにボクシンググローブを使うようになる前は、従来のムエタイボクサーは綿で覆われた馬毛のグローブを着用していました。
西欧人はタイへの観光旅行でムエタイを見る機会ができました。ムエタイは複数の格闘技のライバル競技となりました。フランスや英国ではあちこちで地元のチャンピオンが出現して、多くのジムでインストラクターがトレーニング教室を開きました。受講者たちはボクシングジムにも入会できます。ボクシングは健康増進とスタイル維持に効果的な運動です。トレーナーとグローブを確保したら、すぐに始められます。
オランダは欧州トップのムエタイ強豪国で、フレッド・ロイヤース、ロブ・カーマン、アーネスト・ホースト、ラモン・デッカー、ピーター・アーツなど多数の格闘技チャンピオンを輩出しています。
世界中で人気が高まっているキックボクシングは、実際は日本発祥のムエタイのバリエーションのひとつで、日本の武術である空手からもインスピレーションを得ています。
サバット、ムエタイ、キックボクシングの中で、どの格闘技に興味がありますか?
ムエタイの基本テクニック
格闘技の初心者にとって、ムエタイは拳、足、肘、脛、膝を使えるので最も総合的なボクシングに見えるでしょう。この戦闘技法から、ムエタイでは動き回ることが推奨されています。
ムエタイの代表的な蹴り技は回し蹴りです。
このスポーツでは高い柔軟性が要求されるため、柔軟性を神聖視する西欧人を惹きつけています。
欧州ではラウェイ(ミャンマーの立ち技格闘技)、ボビナム(ベトナムの伝統格闘技)クメールボクシング、ラオスのムエラオも盛んですが、ムエタイはこれら東南アジアの格闘技の中で圧倒的な人気を誇っています。日本でも多数のムエタイ教室が開催されています。
実際、13の体重別階級により最初にプロ競技ができた格闘技はムエタイでした。近年ではムエタイの人気がますます高まり、完全に体系化されました。もちろん、これにはテレビ、広告、大都市バンコクの潤沢な資金が大きく貢献しています。ムエタイを始める場合、最低限の装備が必要です。男性の場合、ファウルガードも欠かせません。
もちろんムエタイ用ボクシングショーツも必要ですが、足首を守るガードも購入することをおすすめします。一方、ムエタイでは男子は上半身裸で靴は履きません。

ムエタイの起源においては、現地のムエタイ選手による多神教や精霊信仰の影響も残り、対戦の前には挑戦者が神への勝利を願うラムムアイまたはワイクルーと呼ばれる踊りを披露します。
現地のプロはワイクルー・ラムムアイの習得が必要です
タイ人でなくても、自分でもワイクルー・ラムムアイができるか自分の目で見て確認しましょう。
新しい武術スタイルであるシャドーボクシングについて聞いたことがありますか?
ムエタイのルール
現地の人は、よくムエタイのことを「何でもありの格闘技」と揶揄しますが、これは誇張で、もちろんムエタイにもルールは存在します。
正確に言うと、殴打、蹴り、肘打ち、脛蹴りが認められているだけです
ムエタイのルールはサバットとは全く違います。ムエタイでは蹴りの種類や難易度も「ハイ」から「ロー」まで様々です。これは場所や状況を問わず自分の身を守る方法を知りたい人にとっては理想的な格闘術です。都心のテロリストがボクシンググローブを着用している姿やサバットのクインズベリー・ルールを遵守することは想像できないからです。
また、プロのムエタイのルールにはアマチュアと大きく異なる部分があります。
まず、試合は1ラウンド3分間で5ラウンド実施するため、実質的な試合時間は15分間で間に伝統音楽が流れます。インターバルは1分30秒か2分間で、連盟により異なります。

以前のルールでは、ムエタイ選手は対戦相手をKOするか、相手にギブアップさせないといけませんでした。当時のムエタイは極度に暴力的な格闘技で、選手は致命的なパンチを浴びせるために手のバンテージにガラスの破片を巻き付けることができました。
命の危険を伴うとの理由で、ムエタイは1921年に全面的に廃止されました。この廃止は結果的に吉となりました。1930年にムエタイは人道的なルールにより復活したからです。
ルールは標準的でボクシンググローブの着用、5×7メートルで3方位以上をロープで囲んだリンク、腕を保護するための肘サポーターの使用と股間への攻撃の禁止が定められています。ムエタイのルールが再制定されてから、以前より選手に敬意が払われるようになりました。
ルールでは、対戦相手を傷つける方法でのロープの使用、噛みつくこと、唾を吐く行為、髪の毛を引っ張る行為、相手を床に打ちつける行為、指での目潰しが禁止されています。
ジャッジはテクニック、俊敏性、防御力、戦闘力に従って採点します。サバットから採り入れられた「ライトコンタクト」と呼ばれるバリエーションもあります。
自宅近辺のムエタイ教室をGoogleで検索してみましょう。
ムエタイとサバットの違いを説明できますか?
ムエタイの歴代チャンピオン
ムエタイの歴史は長いため、階級やスキルが異なる多数のチャンピオンが生まれてきました。
古代ムエタイの歴代チャンピオンの多数が王族だと聞いたら驚きますか?頑強な戦士だったソムデート・プラチャオ・スアは「虎王」と呼ばれていました。
18世紀になると、タイ人にとってのムエタイはスペイン人にとっての闘牛のようなものでした。村人たちは総出で試合を観戦しに行き、リングの反対側からお気に入りの選手を応援しました。
偉大なタイ国王だったナレースワンは、16世紀末にこの格闘技を普及させました

一部では俗説だとされていますが、国民的英雄だったムエタイ戦士のナーイ・カノム・トムは、1767年にミャンマー軍との戦いで囚人となった後に格闘技奴隷として10人を1度に倒したと言われています。
近年でも、アピデート・シットヒラン(102対戦中95勝)、パトリック・ブリゾン(1979年欧州初ムエタイチャンピオン)、ヤモーン・サイダリ(177対戦中162勝)、サーマート・パヤクァルン(ハイキックで有名)、オーランド・ウィット(5連続世界チャンピオン)、デニー・ビル(世界タイトルを7回獲得したフランスの黒人ファイター)、ディダ・ディアファ(世界タイトルを11回獲得したフランス人)の他に、タイ本場出身のブアカーオポー.プラムックやアヌワット・ゲーオサムリットなど多くの有名な格闘家が誕生しています。
最後にムエタイについての基本事項を確認しておきましょう。
1) ムエタイは戦時の素手での戦闘術として中世にタイで誕生しました
2) ムエタイでは左右の肘、拳(打撃)、膝、足(蹴り)の8部位を使います
3) ムエタイはこの80年間で最も急速に成長した武術です
4) ムエタイには2,000年以上の歴史があります
5) ムエタイの練習にはパッド入グローブ、肘サポーター、脛ガードが必要です
6) ムエタイでは手首の安定化と拳の防護のためにバンテージを巻きます
7) ムエタイの特訓は効果的な有酸素運動で腕や肩を鍛えるためにも有効です
8) ムエタイのテクニックは、ルールが少なく頭部を武器として用いる命懸けの武術であるムエボーランが原点となっています
それでは、ボクシンググローブを持って、ムエタイを専門としている講師とムエタイに挑戦してみましょう。
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