Chapters
- 01. 3D画について
- 02. 遠近画法の習得
- 03. 絵に錯視効果をもたらす方法
- 04. 3D画法オンライン講座
- 05. 3D図に最適なアプリ
- 06. 3D図を描くのに最適なペン
- 07. 3D図を簡単に描くコツ
「我々が知覚しているのは現実の世界ではなく、脳が作り上げた心の世界である」
それでも、平面上にあらゆる次元を実物通りに表すことは簡単ではありませんが、これは様々な種類のアートにおける基本です。
- 3D画を描くのに最適な手法
- 絵を立体的に見せるための手法
この記事では、遠近画法とアナモフィックアート、様々なモデルを実物のように描く手法について説明します。そして、3Dペンも試してみましょう。
3D画について
2D画と3D画の違いはどこでしょうか。答えはとてもシンプルです。
2D(2次元)で絵を描くとき、紙の上に立体感を出さずにスケッチします。考慮に入れるのは対象物の幅と高さだけです。しかし3D画には、3番目の次元である「深さ」が含まれます。
3D画は目で実際に観察した細部までより忠実であることを考えると、2D画よりも実物に近くなるのは明らかです。例えば顔を描く場合など、3D画では起伏や距離を複写して同じ比率を維持します。
遠近法や錯視まで、3D画ではあらゆるスタイルを採用するため、描画に関する優れた能力が求められます。
- 芸術家たちは、どうやってこれらの手法を完全に習得するのでしょうか?
- どうしたら、平面に描いた絵がページから飛び出してくるような錯覚を与えることができるでしょうか?
絵に立体感を生み出すために最初に学ぶべきことは、透視図の描き方です。
遠近画法の習得
透視図は、空間内にある対象物を3次元で描く手法です。場面の奥行きを考慮して、対象物を自分の視点から見たままに再現します。

カバリエ投影法は、平行線の構造を追加することで対象物に立体感を生み出します。これは主に立方体などの形状を表す際に使われる画法です。
線遠近法も、描画でよく使われます。優れた線遠近感を出すためには、一般的にふたつの要素が重視されます。
- 水平線
- 消失点
上記の要素に基づいて線を引くと、場面の様々な箇所を描く視覚的ガイドとして機能するグリッドを作成できます。
絵に深さと立体感を出すための、様々なタイプの線遠近法があります。
- 正面透視図:目は場面の正面を見ています。絵は目と同じ高さの水平線に基づき、あらゆる線はひとつの消失点へ収束されます。
- 射角透視画法:ふたつの方向から対象物を見ます。構図はふたつの消失点があります。このタイプの透視画法ではふたつの消失点を使って実物の形状や奥行きを考慮して、立方体や他の形状を描きます。
- 空気遠近法:3つの消失点で対象物のあらゆる次元を表します。これは最も写実的な遠近画法で、主に家具などの建築様式に使われます。
遠近法をマスターすることは、手などを実物のように立体的に描くために必要です。3D画は即興で描けるものではありません。実際に自分の目を使って対象物の比率をできる限り忠実に把握しなければなりません。優れた3D画を描くには、対象物の奥行き効果をきちんと観察して対象物や人物を表すことが大切です。

空気遠近法と呼ばれる透視画法を使う画家もいます。
空気遠近法はカメラとその焦点に例えられます。この遠近法では視覚印象を利用します。前景にあるものははっきりと精確に描き、奥にいくほど細部は不明瞭になります。色や濃淡を利用してこの奥行き効果を生み出す画家もいます。この場合、寒色を使うほど、場面の細部は不明瞭になります。
これは15世紀にフランドルの画家たちにより開発および使用された手法ですが、レオナルド・ダ・ヴィンチの作品にも見られ、中でも『モナリザ』が有名です。
絵に錯視効果をもたらす方法
遠近画法をマスターした人は、作品に印象的な効果をもたらすことができます。対象物は文字通りページから浮き出て生きているように見えます。
優れた遠近画は実際に3次元上で生きているかのような印象を与えます。人の目をひく企業ロゴのデザインの基礎にも役立ちます。
この視覚印象は、特定の角度からだけ効果を発揮する錯視です。アナモフィックアートを見る時には3D効果を得るために特定の角度から見る必要があります。他の角度からでは歪んだ画像しか見えません。
ページから飛び出して見える絵を描く方法

絵に錯視効果をもたらすためには、適切な手法を習得しましょう。イメージを適切に歪める方法だけではなく、実物そっくりに描くためには基本的な画法も習得する必要があります。最初のスケッチから絵の仕上げまで、多数のステップが存在します。対象物の細部まで描く方法と効果的に色を塗る方法についても学びましょう。
アナモフィックアートの創作では、紙の上で表したいイメージを歪めます。アナモフィックアートに使われる主な手法
- 精確にスケッチするために、カメラで対象物の写真を撮影して現像または表示します
- 簡単に描けるように、コンピュータ・ソフトウェアを使って自分が表したい対象物を歪めます
- グリッドシステムを使って、精確な比率で対象物を描きます
- 絵の輪郭の一部を切り取って3D効果を高めます
- 複数のシートの使用またはシートの折り曲げにより、立体感を出します
レオン・ケールやカート・ウェナーなど多くのアーティストがアナモフィックアート画法を習得しています。公共の場の地面や壁にも、3Dアートを見かけることがあります。多くのストリート・アーティストが見事な作品を生み出しています。
歩道中央に空いた大きな穴や道路から顔を出すサメなど、エドガー・ミュラーやジュリアン・ビーバーなどのアーティストによる印象的な作品があります。
この手法は、タトゥーのデザインにも使えます。
3D画法オンライン講座
3D画法を描く練習には、基本的な画法の習得が欠かせません。段階別の指導による多数のオンライン講座を利用すると、スケッチ技術を向上させて本物のような3D画を描けるようになります。
全くの初心者や経験豊富な絵描きも、自分に合ったレベルの講座を見つけられます。
初心者向けの中で、この講座では紙から浮いて見える3Dルービックキューブの描き方を教えてくれます。親切な説明により基本のテクニックを学習して、他の対象物に応用できるようになります。
この動画では3Dオープンドアの描き方の秘訣を教えてくれます。紙の一部を切り取ることで、実物のように見える効果を生み出す方法がわかります。
このサイトでは線を引くことで立体感を生み出す方法について説明しています。動画では、3D半球の描き方を教えてくれます。同じ原理で、手など他の立体的な対象物も描けるようになります。
経験豊富なアーティストなら、動画を参考にして実物よりもリアルなサメの3D画に挑戦できるでしょう。
デザインソフトウェアを使った3D画
様々な種類の3Dソフトウェアを用途に合わせて使用することで、合成3次元イメージを創り出せます。
3Dアーキテクチャ、3Dモデリング、3Dアニメーションまで、デザイン業界には3次元創作のための様々な選択肢があり、3Dはいたるところで活用されています。現在では、拡張現実や4Dの方が注目を集めています。3Dモデリングソフトウェアがあれば、3Dプリンターを使ってデザインを実現できます。
初心者用なら、無料のデザインソフトウェアを簡単に見つけられます。一般的にソフトウェアは簡単かつ直感的に使用できるため、これらのソフトウェアで3Dビジョンを体験できます。
- 最適なデザインソフトウェアの選び方
- 最適なソフトウェア
ソフトウェアはニーズに合わせてお選びください。3Dデザインソフトウェアは、オンラインまたは自分のコンピュータにダウンロードしてお使いいただけます。ここでは入手できる3Dソフトウェアを、いくつか紹介します。
- Photoshop:グラフィックデザイナーにとっては必需品で、Adobe Illustrator同様にデザインにおける無限の可能性を引き出します
- KritaとArtweaver:それぞれ長所がある優れた設計プログラムです
- Google Sketchup:本来は建築や内装用に構築された、3Dモデリングに最適なソフトウェアです
- Blender:専門家が参照とする3Dモデリングおよびアニメーション用ソフトウェアです
- Autocad:2D/3Dデザインで最もよく使われているプラットフォームのひとつです
- Manga Studio EX:2Dや3Dの漫画に最適なソフトウェアです
3D図に最適なアプリ
タブレットやスマートフォンの3D描画アプリを、3D画法習得にお使いいただけます。
時間や場所を選ばず携帯できるため、ランチタイムや通勤時などの空き時間に描画スキルやテクニックを磨くことができます。
携帯電話やタブレットで、リアルな3D効果を実現するための立体感の出し方を学習できます。
3D画法は最も人気がある画法のひとつです。プロを目指す方も趣味で自分の実力を伸ばしたい方も、自分に合った方法を簡単に見つけられます。
Superprofでは、アドバイスや技法を与えてくれる最適なアプリを選択しました。3Dモデリングから遠近法まで、あらゆる年齢層や好みに合わせたアプリです。

- 自分のペースで3D画法を学べる「Learn to Draw 3D」
このアプリは若い人向けで8歳から使え、3D画法や錯視効果を簡単に実現できます。
完成度が高く使いやすいアプリで、3D画モデルを選んで、自分でイメージを再現するための複数のステップに従います。自分のペースで3D画法に必要なステップを理解できる、シンプルだけど効果的なアプリです。
- 3D画法専門動画「How to Draw 3D and Illusion」
教育的見地から優れたこのアプリは、チュートリアルビデオで3D画法を教えてくれます。YouTubeの中でも3D画法に関する良質のチュートリアルが収集されているため、子供向けの絵画レッスンを検索できます。自分に合ったオンライン講座がわからず、初心者向けの講座を探している方に最適です。
アプリは毎週更新されるので、ボタンをクリックするだけで新しい動画や手法を確認できます。
- バーチャルリアリティ3D画法「Tilt Brush」
バーチャルリアリティで3D空間に絵を描けるTilt Brushがあれば、更に楽しく3D画を描けるようになります。厳密に言えば、紙で3D画法を学ぶためのアプリではありませんが、3Dでクリエイティブな画法を理解するのに最適なアプリです。
VRヘッドセットがあれば、自分の想像力を解放して仮想世界で3Dアートを創作できます。
- 3Dキャラクターを創作できる「Leopoly」
Leopolyはタブレットやパソコン上で利用でき、多数のツールで3Dキャラクターの創作や仕様に合わせた修正が可能なアプリです。
このアプリは漫画やアニメの愛好者から評価が高く、自分がデザインしたキャラクターを実現できます。
- 初心者向け3Dデザインアプリ「Tinkercad」
Tinkercadは、プロとアマチュア両方を対象とした幅広いデザインソフトウェアを提供してくれるAutodeskアプリです。使いやすいディスプレイにより簡単に3D画を創作できるので、3Dデザイナーには欠かせません。
このアプリでは、様々な形状のパーツを組み合わせてデザインします。3Dプリンター機能で創作できるので、専門家でなくてもクリエイティブな3Dモデリングを実現できます。
- 子供向けアプリ「Tinkerplay」
また、Autodeskでは簡単に3Dキャラクターを創作できる子供向けの人気アプリTinkerplayを無料で提供しています。基本的なモデルから始めて、複数の機能やエレメントを試しながらカスタマイズしていきます。自分が創作した3Dキャラクターの印刷や注文も可能で、豊かな想像力を養うために最適なアプリです。
3D図を描くのに最適なペン
3D図にはバーチャルリアリティ、3D印刷、3Dライティングが含まれるため、3Dペンの存在を無視するわけにはいきません。
3Dペンを知っていますか?
3Dペンは3Dプリンターと同じ原理で機能する画期的なツールで、3次元の字を書いたり絵を描いたりすることができます。高温で溶けたプラスチックをペン先から押し出すと、サポート材上に押し出されたプラスチックフィラメントは空中で冷えて固まります。このため3D構造を簡単に素早く創作できます。
オブジェクトを使った3D輪郭の描画、パーツの構築や組立も可能で、自分の想像力を自由に表現できます。
3DペンにはABSまたはPLSのプラスチックフィラメントが含まれています。プロジェクトの種類に合わせて適切なプラスチックを選択することが重要です。
- ABSはすぐに冷えるため、3D画に最適です。石油を原料としたプラスチックなので、簡単に色んな形に変えられ割れにくいという特性があります。直線、曲線、螺旋や幾何学的図形など様々な形を作れます。また、剥がして好きなように使えるので2Dライティングにも便利です。
- PLAは冷えるのが遅く、固まるのに時間がかかります。PLA樹脂はデンプンなどの天然素材から構成され、生分解性です。ボール紙、金属、セラミックなどサポート材への吸着に優れているため、3D画を描くのに適しています。また、剥がれない2Dイメージを描くのにも便利です。
最適な3Dペンの選び方

特定の集団しか利用できない3Dプリンターと違い、3Dペンは価格が手ごろで簡単に入手できるので、多数の顧客層から人気があります。
アマチュアやプロのアーティストが3D画に興味を持つのと同様に、子どもたちも長時間飽きずに3Dペンで遊びます。3D画は建築やデザインが好きな人たちに創作の無限の可能性を提供する最高の娯楽です。
3Doodlerは初めて販売された3Dペンで、最新版の第3バージョンは、手頃な価格で精度と安定性が向上しています。
現在では多くの3Dペンがあります。ニーズや用途に合わせて様々なモデルや価格の3Dペンからお選びいただけます。3Dペンを購入する場合、次の要素を考慮してください。
- ペンのデザインと重量:これはペンの取扱と3D画法の精度において大切な要素です
- LCDディスプレイ:3Dペンの使用において重要なことは、ペンの温度などの機能の監視です。温度調整により、プラスチックフィラメントの効果を発揮できます
- 価格帯:予算により選択できるペンも限られますが、価格によりペンの品質も異なります。50ポンド(約7200円)以下の3Dペンもありますが、必ず品質が保証されているわけではありません
- ブランド:3Dペンでは上述した3Doodler、Lix pens、Yestech 3D、7tech 3D、GENESISなどのブランドが有名です。
3D図を簡単に描くコツ
最新技術を試してみたい人も、昔ながらの紙とペンでの作業を好む人も、オンライン講座を受ければ絵画の腕がすぐに上達します。
建物、手、顔または漫画まで、あらゆるジャンルのものを描く方法を学べます。
絵の専門家は自分の経験に基づいたアドバイスで、遠近法、3D画、写実絵を描く技能を習得するためのサポートを提供してくれます。
しかし、オンラインの美術講座を受けるだけでは、3D画法を完全にマスターすることは困難です。特殊なスキルは忍耐力と定期的な練習でしか身に付きません。
3D画の専門家を目指す場合、下記のアドバイスに従って練習を始めてください。
- 遠近感や立体感を出すために、色々な画法を練習すること
- 3D画は対象物の技術的に正確で写実的な再現に基づいているため、実物そっくりに描くために対象物の細部をじっくり観察することと、紙やタブレット上に3D画を上手に描くためには比率、光と影、遠近感、ディテールなど絵の基礎を習得すること
- 常にスケッチブックを持ち歩くなど、絵を日常生活の一部として採り入れ、習性になるまで定期的に絵を練習すること
- 自分の好きなアーティストや作品からインスピレーションを得たり、オンライン講座で同じように描く方法を学習したりして、3D画を描く準備が整ってから、鉛筆、木炭、消しゴムやタブレットで創作に着手すること
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