Chapters
- 01. リアルな似顔絵の描き方と必要な画材
- 02. 似顔絵を描く際の順序と比率
- 03. 似顔絵を描くコツ
- 04. 自分の感性を信じること
- 05. リアルな肖像画を描くコツ
- 06. 顔を描くときに気をつけるべき7つのこと
「この絵に費やした時間は5分だが、この画法に達するまで60年もかかった」
フランスの画家ピエール=オーギュスト・ルノワール(1841~1919年)
趣味で絵を描く人は減っています。最近では余暇に絵を嗜むと公言する人は少数です。
大半の素人画家は、人の顔を描くことはとても難しいと考えています。

絵画教室に通い始めた初心者や自己流の画家、漫画家、女性専門の似顔絵師にとって、学ぶべき画法はたくさんあります。
実物のような優れた作品を完成させるには、顔のパーツの比率を重視すること、光と影を使って立体感を出すこと、表情をつかみ雰囲気を伝えることが大切です。
様々な角度から顔を描き、両目の間隔を紙に記し、絵に効果的な陰影を与えるためには、精確で自信に溢れた鉛筆の使い方が必要です。
どうすれば、様々な輪郭の顔を精確に描けるようになるでしょうか。ここではデッサンの基本から始めてみましょう。
基礎を習得するには、オンライン教室の受講や練習の他にもいくつかの効果的な方法があります。
絵の描き方の基礎を学ぶためにはミスを怖れないこと、失敗してもくじけないこと、成功するまでやり直すことが肝要です。
地平線、消失点、水平線などの遠近法を使って違う角度から絵を描く方法を学ぶにはどうしたらよいでしょうか。
Superprofでは、似顔絵師としての独り立ちをサポートするためのシンプルな手法を紹介しています。漫画のキャラクターの顔を描く場合でも、タトゥーをデザインする場合や写実的な肖像画を描く場合でも、基本は同じです。
大切なことは練習、根気、観察力です。
Superprofでは絵画の教師に代わり、顔を上手に描くために必要な画法をレクチャーします。
リアルな似顔絵の描き方と必要な画材
似顔絵を楽に描くためには、どんな画材が必要でしょうか。子供たちが絵や漫画を描くためにどんなものを揃えるべきでしょうか。
具象画では、スタイルに応じて多数の画材が必要です。
木炭を好む人もいれば、墨や鉛筆を選ぶ人もいます。いずれも、求める方向性と画法により、使用する画材は異なります。
画材の予算については、あまり考えないでください。残念ながら、芸術活動には常にお金がかかります。
初心者が人物画を描くために必要な画材は下記の通りです。
- Bタイプの軟筆(2B、4B他):このタイプのグラファイト(芯)鉛筆は、陰影を付ける時に便利です。筆圧を調整することで、作品に均一な濃淡を与えます
- Hタイプの硬筆(2H、4H、~10H)
- 消しゴム:鉛筆で描いた絵の修正や最初のスケッチの消去のために、消しゴムは必需品です
- 練り消しゴム:欠かせない画材で、光や影を表す際に特に便利です。鉛筆や木炭で描いた絵をぼかしたり、和らげたりできます。練り消しゴムは柔らかいので、面積の大小に合わせて変形させ、細部にも使えます。
- 擦筆:絵に陰影をつけ、布や指を使って汚れをつけないようにするために使う、デッサンに欠かせない画材です
- ブリストル紙:滑らかで丈夫なデッサン用紙です
また、3D画には最先端の画材やテクノロジーを活用できます。
プロの絵師は、様々な画材を用いて似顔絵を描きます。通常、似顔絵を描く場合には、次の画材が必要となります。
- 木炭:木炭画の様々な画法は、精密なスケッチだけではなく、太線での下書きにも適用できます。この手法により絵に質感を与え、濃淡やぼかし効果のための陰影も生み出せます。
- サンギーヌ:オレンジ、赤、ベージュ系の色をしたチョークまたはクレヨンで、絵に立体感を出すため、肖像画でよく使われます。

似顔絵を描く際の順序と比率
顔の描き方を学ぶ際は、信頼できる基準点を確保することが大切です。
- 顔のパーツの比率
- 口、鼻、目の配置
ここでは、リアルな肖像画を描くための簡単なコツを説明します。
顔を描く時のポイント
どの顔も、細面、丸顔、面長、四角などの特徴がありますが、肖像画を描く場合、卵形の顔をスケッチして4つのパーツに分けるための基準点を用います。
これは、子供たちに男女の顔の描き方を教える時の準備段階です。
この際に、顔の中心を通過する縦線と横線から構成され、一般的に十字線と呼ばれる線を引きます。
鼻の描き方
最初に引く横線は、両目が位置する場所になりますが、この線はまだ使いません。まず、卵形をふたつのパーツに分ける2番目の横線を描きます。
この線と縦線が交わる点に、鼻先を描き、縦線の両側に鼻孔を配置します。
口元の描き方
卵形の下半分をふたつに分ける3番目に引かれた横線と縦線の交点に、口を配置します。
下唇の端がこの新しい線と接触するようにして、上唇と下唇の境界線を描いてから、上唇、最後に下唇を描きます。
目の描き方
卵形の中心へ最初に引いた横線の両側に、眼窩となるふたつの大きな円を描きます。
このふたつの円の上に眉の位置を大まかに定めてから、両方の円の中に小さなアーモンド形を描きます。両目の間隔は、第三の目の幅と同じにします。
両方の円の中心と眼軸上に虹彩と瞳孔を描きます。白眼を際立たせるため、瞳孔を黒く塗ります。
次に眼瞼を描きます。最初に描いたアーモンド形の中に、虹彩を囲む2番目のアーモンドを描きます。
耳、毛髪、首と細部の描き方
耳たぶは鼻のつけ根と同じ高さに来るようにします。耳たぶの上は眉と同じ高さに来るようにします。
次に毛髪と首を描いてから、陰影、鼻や顎の配置、顔の表情などの基本的な細部を描き足していきます。
スケッチでは輪郭を硬く皺を目立たせるほど、顔は高齢に見えるようになります。若い人物画を描く場合、線に丸みと柔軟性を持たせるようにします。
印を描いた後は輪郭、特に顎の形状を細かく描いていきます。ここで更に肩や衣服を描き足してもいいでしょう。
似顔絵を描くコツ

想像上の漫画のキャラクターを描く場合、創造力を駆使することが重要です。
一方、実在するモデルや写真の肖像画を描く場合、各要素を再現して本人の顔のパーツと同じ比率を維持するための観察力が重要となります。
観察と顔のグリッドの描写による顔の再現
手を描く時は、指や爪の形状、皮膚の色素などをじっくりと観察してから自信を持って線や輪郭を描きますが、顔の場合も同じ手順です。
他には画用紙にグリッド線を描いて、顔の形状やパーツの比率を写実的に再現する手法もあります。
肖像画を描くためにどちらの手法を用いるにしろ、モデルの顔の各パーツの比率を忠実に再現する方法を見つけることが大切です。
観察すべき基本要素
- 鼻に対する口の幅
- 口に対する両目の位置
- 眉の特徴と位置
確認すべき重要事項
- 両目の間隔が、両目の間にある想像上の第三の目の幅と一致していること
- 鼻のつけ根が目頭の位置と合っていること
- 口角が虹彩の内端の位置と合っていること
最初の比率は大まかにとりますが、細部に注意することで、初めの筆入れから適切な基準点の位置を定めることができます。この後は、自分が観察した細部を全て再現するために線を精緻化してくだけです。
自分の感性を信じること
絵を描くときは、理性を司る左脳を切り離し、自分の感情と表現力を解き放つことが大切です。
このためには右脳からの自分の知覚に純粋に身を委ねましょう。
意味を求めるのではなく、表現や感覚的な方法で自分が目にしたものを正確に再現することが目的です。
肖像画は左右対称ではありません。モデルをじっくり観察すると、完全に左右対称の顔はないことに気づくでしょう。
精密な絵を描く上で最も重要なことは、立体的な絵により顔に命を吹き込むことです。このためには、自分が観察しているモデルを正確かつ忠実に描写する必要があります。
鼻がまっすぐではなくても、ほほ笑みがいびつでも、眉の位置がおかしくても、その絵が不正確だということにはなりません。目で見たままに手を動かしてください。
リアルな肖像画を描くコツ
これで、最初のスケッチが完成しました!
次に、できるだけ実際のモデルに似せたリアルな肖像画となるように、細部にとりかかりましょう。
絵を実物に似せるためには、各要素が重要となってきます。絵において軽視できないポイントはたくさんありますが、口、鼻、毛髪、とりわけ目など顔の特徴は特に大切です。
顔の表情をはじめとして、自分の目で見たものを忠実に再現できるように、モデルをできるだけじっくりと観察してください。似顔絵を描く上で、顔の表情は最も複雑で困難な要素です。
目の形だけではなく虹彩、瞳孔、睫毛、眉にも注意を払う必要があります。
最も難しい点は、ふたつの目の共通点を確保しながら、左右の目の違いにも気を付けることです。
この細部に注意することで、顔の表情を捉えられます。肖像画を上手に描くためには、活き活きとした豊かな表情を描く方法を学ぶ必要があります。
最初に、光の反射を忘れずに全細部を観察すると同時に、空間の使い方も学習します。絵において空間は、全体のまとまりを生み出すために軽視できない大切な要素です。
目や顔の他のパーツをベースとしてロゴをデザインする予定はありますか?優れた観察力と細部の観察眼が、成功の秘訣です。
例えば、目の輪郭を描くのが苦手な人は、白眼の部分と虹彩に的を絞ってみましょう。ひとつずつ要素を描くことで、手は自然と目全体の形を再現するようになります。瞼の厚みも、考慮すべき重要なポイントです。
完璧な肖像画を完成させるためには、陰影も観察して可能な限り精確に再現しなければいけません。
陰影を再現することで顔のパーツに立体感が出て、絵がより本物らしく見えます。このため、濃淡や光と影を駆使して肖像画を立体的にする手法を学ぶことが鍵となります。
最後に、輪郭線の太さにより仕上げに差がつきます。
絵を描き始めた時は強い線を引いて輪郭を強調しがちですが、これは失敗や誤りの原因となるので避けた方がいいでしょう。
例えば、唇の輪郭線を引きたくなるでしょうが、口を描く上で最も重要な線は下唇と上唇を分ける線です。
唇の輪郭ははっきりと目立つ線ではなく、多数の薄い線から構成されています。唇に陰影を付けると明確な形ができ、立体的になります。
モデルにそっくりな肖像画を描くためには、顔にあたる光も考慮する必要があります。
顔をモチーフとしたタトゥーのデザインにも活用できます。
顔を描くときに気をつけるべき7つのこと
スケッチブックの最初のページに筆を入れる時、初心者は線や細部を描きすぎる傾向がありますが、最初はさっと走り書きする程度で十分です。
また、頭部の他のパーツの位置を定める前に目から描こうとしがちですが、人の頭蓋骨の形状を考えると目は大切ですが、最初に描くべきパーツではありません。
ここで強調しておきたいことは、上手な肖像画を描くためには、悪い癖を捨てて一般的にやりがちなミスを避けるべきだということです。ロゴのデザインなど、リアルに描く必要がない場合でも、下記の基本事項を理解しておくことが大切です。
- 水平線を引くこと
常に顔の横十字線が互いに平行であることを確認します。適切な距離があることで、顔の対称性を確保できます。
線が不均一だと顔のパーツ間の距離が狂い、最初からやり直す羽目になる場合もあります。
- 頭蓋骨の形を重視すること

顔を描くときは、頭蓋骨の形状を考慮しましょう。顔が細すぎるとアンバランスで平面的な印象を与えてしまいます。
頭の上部が小さすぎると、後で毛髪を付け足すことが難しくなります。頭蓋骨が平べったいと毛髪部分が短くなり、リアルな肖像画は完成できません。
- 適度なレベルで細部を描き加えること
あまり早い段階で細部にこだわりすぎると、脳が錯覚を起こして全体図を見失う場合があります。これは初心者によくある失敗の原因です。最初から細部にこだわりすぎないことが大切です。
実際のところ、大まかな形状と骨子から描き始めた方が、結局は時間の節約となります。細部ではなく大体の形状の軽いスケッチから始めて、顔全体のパーツの配置を決定してから、細部にとりかかります。
顔の3大主要パーツである目、鼻、口のスケッチから着手します。
- あせらないこと
絵を描く時には急がずに時間をかけることが大切です。急いで肖像画を仕上げたいという誘惑に勝ち、不安定な筆の動きを制御することを学びましょう。
特定の障害により行き詰った時には、とにかく続けようとすることは間違いです。そのまま続けることで、作品全体の出来に悪影響が出るでしょう。出来に満足するまで、あらゆる障害に正面から対峙しましょう。
またじっくり時間をかけることで、モデルの表情や顔の構造を適切に把握できます。絵が満足いく出来になるまで続けましょう。
- 遠近法を無視しないこと
遠近法の概念を理解することは、絵を描く上で基本です。顔を描く場合、下記のような失敗が多く見られます。
- 鼻の高さが不正確
- 両目の間隔が不正確
- 目や眼窩が平面的
- 瞼の厚みがおかしい
口と同様に、目は顔に最も強い表情をもたらすため、肖像画において一番大事な部分です。しかし、初心者は自分が見たものを平面として描いてしまいがちです。
また、横顔と正面の中間となる斜め前から見て描くことも大切です。奥にある目の間隔を鼻で隠し、前にある目は鼻のつけ根から遠いという遠近感を出します。
従って、前から見た時に顔の左側は右側より小さく描く必要があります。
- 絵に奥行きを出すこと
顔を斜め前から見た図では、首は背景に位置します。この奥行きを出すために、首の陰影と輪郭を描きます。
この時に一番やりやすい失敗は、下顎の輪郭と首の線を繋げることです。通常、この2本の線は違う面にあります。
この失敗を防ぐために、首の輪郭をわずかに変えて、下顎の輪郭と直接つながらないようにする必要があります。
- 耳を正確な位置に描くこと
最後に注意すべきことは、耳の位置です。
横顔を描くとき、目と口からの耳の距離をとることが難しい場合があります。両耳の間はどれくらい離れているでしょうか。
耳を顔の近くに描くと顔が細長く見えてしまいますが、逆に顔からあまり離して描くと不格好になります。
頭部に耳を描くときには、目と顎の間の距離と目から耳までの距離を測定する必要があります。耳の先端を目のラインに合わせると、二等辺三角形となる最適な位置を決められます。
最後に、耳の位置は人により様々ですが、基本的には眉毛と鼻のつけ根のラインにあります。
まとめ
人の顔の描き方を習得するには、肖像画の先生がいる絵画教室に通うことがベストです。
画法を習得したいと考えている場合、絵についてのサイトを検索して、オンラインの絵画教室からインスピレーションを与えてもらいましょう。
いずれにせよ、大切なことは練習と忍耐力です!
慣れてきたら見事な似顔絵、漫画のキャラクター、風刺絵を簡単に描けるようになるでしょう!
La plateforme qui connecte profs particuliers et élèves