Chapters
- 01. フランスに住む利点
- 02. フランスに移住しフランス語を習得する
- 03. 知っておくべきフランス語のフレーズ
- 04. フランスのオススメ留学先 トップ5
パスポート制度を設けたヘンリー5世に、私たちは感謝しなければならないでしょう。
ヘンリー5世は臣民が海外に渡るための文書を設けました。これには、身元を確認し、安全に渡航できるようにするという目的はもちろん、滞在後に無事英国に再入国できるよう保証する機能がありました。
海外領土に渡航するのにパスポートが必要になったのは第一次世界大戦後のことです。以降、旅行や身分証明に使われる重要な書類として扱われるようになりました。
それ以前は、英国人がフランスに休暇に訪れることはとても一般的でした。ただ社交的に過ごすだけでなく、パスツール研究所やキュリー研究所といったパリの一流の機関で教育を受けることも目的の一つでした。
今もその状況はあまり変わっていません。
今でも、ノルマンディーの丘から、太陽の照るビアリッツの海岸に至るまで、フランス全土を巡りたいという人は多く、アルプスの山荘を手に入れたいと夢見る人すらいます。
また、フランスワインも魅力!ロワール地域の高くはない妥当な価格のワインが、オーストラリアのワインよりもますます好まれるようになっています。
そして、忘れてはならないフランス料理。フランスのガストロノミー(美食学)に匹敵するものはありません!チーズ、パン、ミシュランに選ばれたソースなど…
こういった楽しみを休暇だけに限る必要はありませんよね。フランスに移住して、生活してみるのはいかがでしょうか?

フランスに住む利点
日本の夏の暑さや梅雨の雨に飽き飽きしている?それなら、フランスに住むのも悪くないかもしれません。
フランスに住むべき最大の理由の一つに、天気があります!
もちろん、フランスの地方によっても異なりますが、南部に行くほど過酷な天候を耐えなければならないという状況が減り、バランスのとれた天気に恵まれています。
当然ながら、マイルドな天気の他にもフランスに住むメリットはあります!
フランスの家探し
フランスでは手頃で自分に合った家を見つけるのが簡単に感じられるかもしれません。
もちろん、最初に賃貸にするか購入するかを決める必要があります。
後に購入した住まいに引っ越すことになりますが、最初は賃貸をお勧めします。
検索すると、フランスでの物件購入について紹介しているサイト等も見つかります。
フランスに移住するときは、家族と仕事の状況が大きく関係してきます。
- 結婚している場合、配偶者が移住に賛成であること
- 学齢期のこどもがいる場合、受けさせる教育を検討すること
- フランスの現地校に入れるのか、インターナショナルスクールに入れるのか
- 共に移住しない親族(特に親)について検討する
- あなたが移住したら、誰が親族(親)の面倒を見るのか
- 移住にかかる資金は?
多くの人にとってこの最後の質問は、海外に住んで文化的・言語的な視野を広げたいというワクワクする思いをしゅんとさせてしまう原因にもなっています。
とても裕福であるという場合を除き、仕事をして賃金を稼がなければなりませんが、看板の言葉も読めない国でそれは可能なのでしょうか?
フランスで仕事をする
ビジネスをスタートさせたいなら、フランスは移住先として最適です。
Ernst &Young では、フランスは主要20か国(G20)の中でも、起業において費用が安く複雑性を回避できる国の一つであると報告されています。
当然ながら、在留許可や労働許可証などの有効な資格とを保有している必要があります。
また、フランス政府は、フリーランスのカメラマンから大学の講師まで、すべての職業的研修歴を事細かに文書化することにこだわります。
ですから、移住する前に、すべてのディプロマ(証明書)を手に入れられる状態にしておきましょう。
数年後事業を始めたい場合、あるいは、事業を始める気はないという場合は、仕事探しが大きなテーマとなります。
おそらく、フランスで仕事することのメリットの一つは、週35時間労働で、十分な休暇が得られることでしょう。
ただし、近年ではこの基準が必ずしも維持されておらず、海外居住者の多くがこの最低労働時間よりも多く仕事をしていると報告しています。
退職後に移住する場合は、フランスで仕事をしなきゃと思い悩む必要がなくていいですね。その場合、フランス語を学ぶことが唯一のチャレンジとなるでしょう。
フランスに移住しフランス語を習得する
言語を学ぶために海外に移住するのは、少し順序が逆な気がします。渡航前に言語力を高める必要はないのでしょうか?
観光に必要なフランス語と、授業で学ぶフランス語と、フランス人と話すことで見につく日常的なフランス語は分けて考えることにしましょう!
ネイティブスピーカーが話すフランス語(モリエールの言語)のレベルで、コミュニケーションをとれるようになるのが目指されるところです。
la fille と le garçon、動詞の時制と活用は一旦横に置いて、高い目標を目指しましょう!
フランス語に流暢になるには、フランスの言語と文化に浸るのが一番です。
そのためには、フランス語圏の国に移住するのがベストでしょう。
余裕があり資金をつぎ込む場合以外にも、言語習得の夢を叶えられる移住方法がいくつかあります。
そのような手段があれば、生計が立てられるかを心配せずに移住できるでしょう。
上に書いたとおり、フランスで事業を始めることができます。起業に用意された保証や条件を最大限活用しましょう。
そうでなければ、次のことが可能です。
勉学のためにフランスに移住する
フランスで高等教育を受けたい場合、入学前に言語条件を満たす必要があることを覚えておきましょう。DELP(フランスの言語能力試験)受験を強いられることもあるでしょう。
一方、通用するフランス語を話さなくても、フランスの大学の学位を取得することは可能です。しかし、パリやマルセイユ、モンペリエなどの大都市に限られます。
ただし、そうしてしまうと、言語を身につけるためにフランスに移住するという一番の目的に矛盾してしまいますが。
フランスに住みたいけれど高等教育が重要でないなら、他のコース(料理やアートなど)を受講できます。
フランス語のクラスを受けるのもいいでしょう!
モンペリエの ILA(Institut Linguistique Adenet)ではそのようなプログラムが提供されています。
フランス語の標準コースやインテンシブコースが用意されており、選ぶことができます。
どちらのオプションを選ぶにしろ、クラス人数は10人以下で、文法や語彙に関するドリルがあり、頻繁に発話のエクササイズを通して発音を特に強化することができます。
読み書きよりもコミュニケーションに焦点が置かれています。文法のスキルは、機械的な繰り返しではなく言葉を実際に使い、各テーマに合ったレッスンを通して高められます。
南フランスでの5か月のインターンシップの機会を利用すれば、フランス語に浸って言語を学ぶことができます。
フランス語の面白いフレーズや動詞の時制を学べる以上に、人とやり取りをしたり、観光するチャンスがたくさん得られるでしょう。
定期的なお出かけやアクティビティがあります。街に繰り出したり、ワインテイスティングを楽しんだり、文化イベントに参加したり。
ですから、新しい友達を作り、フランス語を話す練習をする機会に多く恵まれるでしょう。

フランスでボランティアの機会を見つける
旅行したくても、誰もがそのための資金を持っているわけではありません。また、新しい言葉を学びたい人すべてが、そのための時間とお金をかけるわけでもありません。
そして、誰もがファーストクラス的な経験を求めているわけでもありません。
その国の文化を体験するには、踏み慣らされた道を外れてみるもの1つの手です。
その冒険心があれば、ホームステイ滞在を選択し、好きなフランスの地域で経験を深めることができます!
今日では、物を所有することよりも経験にお金を使う人が多くなっているため、一時的な手助けを必要とする人の元で、他国での生活について学ぶことのできるマッチングサイト HelpX などは、特に重要性が高まっています。
このサイトを通して、仕事をする代わりに食べるものと住む場所を提供してくれる現地の場所を見つけることができます。仕事とは、その家族に英語を教えたり、牧場の動物の世話の手助けすることだったり様々です。
これは、永久の仕事(と宿泊)ではないので、その点は注意しましょう。
数か月以上にわたり、その場所に滞在することはありません。一時的に滞在(仕事)し、次へ移ります。これは、この仕組みの優れた特徴だと思います!
ブルターニュやドルドーニュなど、フランスの他の地域に行き、そこでの暮らしを体験することもできます。では、その後は?未知の世界が広がりますね。
スイスやベルギーでの暮らしを体験することもできるでしょうし、他のフランス語圏に行ってみることもできるでしょう。
フランス語を習得しながら旅行を続けた暁には、好きな都市で DELF を受ける準備が整うはずです。その後、アパートを借りて、フランスでの新しい生活を開始するというのもいいですね。
フランスでフランス語を学ぶことについても、読んでみてください。
さて、自分は放浪者だというそこのあなた!ぜひ、これからご紹介する役に立つフレーズを覚えておきましょう。
初めてフランスへ!
知っておくべきフランス語のフレーズ
フランス語はかなりフォーマルな言語です。形式にこだわった言語であると主張する人もいます。
ただし、英語にもルールがあることを考えると、これはあまり意味をなさないかもしれません。
例えば、就職面接でスラングを使ったらマナー違反になります。あるいは、許可を得ずに年上の人を下の名前(ファーストネーム)で呼ぶといったことも失礼に当たります。
こういった英語でのルールについてはわかっても、旅行や移住で海外に行く場合、現地の文化を知らなければ会話でミスや失礼なことをしてしまうリスクがあります。
世代から世代へと移るにつれ、使われる話し言葉は進化するということを理解した上で、どんな年齢の人との会話でも使えるフランス語のフレーズ10選をご紹介しましょう。
Bonjour と Bonsoir
挨拶と別れで使う言葉。これらはすでにご存じかもしれませんが、Salut との違いは重要です。
Salut は上の2語と同じ意味を持ち、友達や同じ年代の人との間で複数のシチュエーションにおいて使える言葉です。
お店に入る時や知っている人に会ったとき、Bonjour はふさわしい表現です。
夕刻や夜に分かれるとき、決して bonne nuit (意味は「おやすみなさい」ですが)とは言いません。
Bonsoir の方がずっと礼儀にかなった言い方です。
Merci、De rien、Je Vous en Prie
最初の Merci は、皆さんご存知の言葉です。
De rien の直訳は「なにもない」の意で、「なんでもない」「おかまいなく」に近いニュアンスを持ちます。
3つ目のフレーズは、以下を含む複数の意味を持ちます。
- どうぞ―相手に勧める
- お願いです ー 何かをお願いするときの究極にフォーマルな言い方
- どういたしまして– de rien よりフォーマルな言い方
リクエストに対応する場合はどうでしょう…

Mais Oui, Bien Sûr!
最初の部分は but yes!(でも、はい!)、後半部分は of course!(もちろん!)を意味します。一緒に使うと、今されたリクエストが協調される形になります。
服を試着した際に、対応する店員がこのように言うことがあります。
また、 certainement, Madame! (Monsieur) などと言うこともあります。
あなたがまだ若いなら、d’ac! (d’accord!の省略形)を知っておくとよいでしょう。OK という意味です。
フランス人は、法で外国語の流入を禁じ、言語的遺産を守ろうとしています。
Excusez-moi, Pardonnez-moi; Desolé(e)
フランス語でも日本語同様、質問する前に「すみません(英語の excuse me / pardon me)」の言葉を入れます。
フランスの公用語をまだ使い慣れていないという場合は、「Excusez-moi, parlez vous anglais? (英語を話しますか?)」などと聞いてもいいですし、バス停や銀行、トイレの場所などを聞いてもいいでしょう。
pardonnez-moi は、人にぶつかってしまった場合やバスで人の足を踏んでしまった場合など、軽く謝るのにも使えます。
Desolé (あなたが女性の場合は、 desolée)は、深く真剣に謝りたい場合に使います。
人にぶつかって、その人が手にしていたカフェオレがこぼれてしまったり、飲み物を運んでいたウェイターをつまづかせてしまった場合などは、pardon では十分ではありません。
真剣さをもって Desolé を使えば、気持ちが伝わることでしょう。
Ce n’est Pas Grave; Pas de Problème
It’s not serious(たいしたことない)や no problem(問題ない、大丈夫)という表現は、間違いやミスに対する返答としてよく使われるフレーズです。
あなたがバスで人を押したり、踏んだりしてしまった場合、相手が ce n’est pas grave (たいしたことありません)と言ってくる場合もあります。
「たいしたことない」というのはおおまかに訳せば「OK、大丈夫」という意味になり、庭で遊んでいた子供が泣いてしまった場合に親が慰めるときにも使われます。
約束に遅れることを伝えた場合や、ブーランジェリーでバゲットを買うための細かいお金がない場合は、相手から Pas de problème と言ってもらえることでしょう。
特に決められていない場合、これらのどの表現も年齢を問わず使えます。
使える表現やフレーズをもっと学びたい人は、このサイトをチェックしてみてください。
フランスが面白いのは、国として12の地域に分かれている(かつては22の地域に分かれていた)のにも関わらず、地域の方言があまりないという点です。
フランスではだれもがフランス・メトロポリテーヌ(ヨーロッパのフランス共和国領土)のフランス語を公用語として使っています。
イギリス英語では、30近くの方言があるのとは対照的ですね。
フランスではほとんどの人が同じフランス語を話すため、新しく住み始めたフランスの地域で正しいフランス語が話されているのかを心配する必要はありません。
これは勉学のためにフランスへ留学する場合も同様です。

フランスのオススメ留学先 トップ5
先に述べた通りイギリスなどでは、100年前、海外留学が名声の証となっていました。
また、この状況はさほど変わっていないともお伝えしましたね。
日本でも、海外留学は人気です。
世界で3番目に留学生の多い国フランスで、国際的な経験をすることができます。
では、人気のフランスの留学先にはどんな場所があるのでしょうか?
1.グルノーブルは、留学生によるランキングで「すべてが揃っている」場所とされています。この「すべて」には、文化、生活の質、卓越した教育と、新卒の就職といった要素が含まれています。
グルノーブルは、 欧州イノベーション・技術機構がある都市の一つというのも魅力です!
2. モンペリエの晴れた気候と地中海までの近さは魅力で、楽しい時間・生活を過ごすことができるでしょう。
モンペリエが留学先に選ばれる理由として、建築物の良さもありますが、世界最古の大学の一つとして卓越した教育を提供しているということがあります。
3. ナントは、ブルターニュ近くにある比較的小さな町で、教育が有名です。
さらに、オデンシア(Audencia)のビジネススクールは、エコノミスト誌で世界最高のマネジメントスクールにランクインしたことがあります。
4. エクス=マルセイユ大学は、新卒の学生の就職に向けた準備教育で知られています。
2012年、フランスの教育制度の徹底的見直しが行われ、国全体の個々の学校が大きなキャンパスへと統合されました。
その結果、フランス語圏ではマルセイユが最大の予算を抱える最大の大学になりました。
5. ボルドー大学
ボルドーは南西にある都市で、ワインはもちろん有名ですが、国内最高レベルの高等教育施設を誇ります。
学生は、各年度の最初に歓待が受けられるボルドーがとても気に入っています。
9月には「Grande Festival de Rentrée」と呼ばれるオリエンテーションがあるので、参加してみては?
これらの都市をお勧めするのには根拠があり、筆者がただ好きだからという理由だけではありません。
実際、留学生がフランスの大学についての投票で、フランスを留学先として好きである理由を回答しています。
そうです。フランスは留学先に最適。住むのにも最適。退職後に移住するのにもオススメなんです。
新しい国に移住する前には、いくつか注意事項があります。
フランスでの冒険に向けて
海外で休暇を過ごすのと、その国に移住して暮らすのとでは全く異なります。
住み慣れた土地を離れ、(場合によっては子どもや、年をとった親などを連れて)海外に住むには、多くのことを考慮しなければなりません。
まず、残りの人生ずっとフランスに住むのか、あるいは、ある時点で日本に戻るのかを考える必要があります。
移住する前には、以下のこともしておきましょう。
- Numbeo でフランスの各都市における生活費を調べ、今住んでいる場所と比較する
- 購入物件を調べる
- 銀行規制や税金、社会的費用について調べる
- 必ず国外居住者用の健康(医療)保険を購入する
- フランスで仕事または学業を営むための資格を獲得する
- カルチャーショックに対応できるようにする―フランスに住む日本人コミュニティーのサイトに登録するなど
これらのことを行えば、問題を最小限に抑えて、移住をスタートさせることができるでしょう。
Bonne Chance!
La plateforme qui connecte profs particuliers et élèves