Chapters
- 01. フランスでディプロマを取得する
- 02. 留学にオススメのフランスの都市
- 03. エラスムス(ヨーロッパの大学間の交換留学制度)
フランスの教育制度は、小学校から学士号以上まで高く評価されています。
ですから、レベルの高いフランスの教育機関に入学を希望する留学生が多いのもうなずけます。
高校または大学卒業後のギャップイヤーを、海外で過ごすのはどうでしょうか?フランスへ渡航に向けて計画してみては?
今回は、フランスの高等教育制度についてご紹介します。これまでずっと海外から学術的に賞賛されてきたフランスの教育プログラムについて、みなさんの理解が深まることを願っています。
また、留学にオススメの都市についてもご紹介します。

フランスでディプロマを取得する
フランスでは、教育省が全教育課程のカリキュラムおよび熟達度のベンチマークを定めています。
それを踏まえた上で小学校は飛ばして、その上の「コレ―ジュ」について詳しく見ていきましょう。
コレ―ジュは、日本の小学6年から中学3年に相当します。生徒は11歳からコレ―ジュで教育を受けます。コレ―ジュでは中等教育の教材が使われます。卒業時には、学術面の評価等にもとづき、リセでさらに勉学を続けるか、技能習得の道へ進むかを決めることになります。そのための中学卒業試験は Brevet と呼ばれます。Brevet は全国統一試験のようなものです。
Brevet の試験の後、生徒は職業学校に行くか、教育を受けるのを一切やめるかを決めます。さらに勉学を続ける生徒の方は、リセ(日本の高校に相当)か職業リセに入学します。
留学生の場合、リセに入学することもあるでしょう。リセの生徒は、3年かけてバカロレア試験の準備をします。コレ―ジュでも同じ一般科目が扱われますが、リセの内容はより高度で、哲学は必修科目となります。フランス語の知識はとても役に立ちます。
バカロレアの資格があれば、フランスの大学に出願できますし、グランゼコールの入学も視野に入ってくるでしょう。しかし、入学者審査はとても厳しいものです。とても優秀な人しか入学することができません。
入学条件として、「bac+2」と呼ばれるものが定められています。これは、出願するにはバカロレア資格に加えて2年間の公的な教育を受けていなければならないことを意味します。
複雑なフランスの教育制度の概要をご紹介してきました。次に、留学生が多く入学している教育機関「公立大学」についてみていきましょう。
留学にオススメのフランスの都市
他国に比べフランスの高等教育機関(大学等)の規模はずっと小さく、専門分野ごとに分かれている傾向があります。
例えば、日本の総合大学では、2つ以上の学科が同じキャンパスで展開されていますが、フランスの大学やカレッジでは1つか2つの学位しか提供されていません。
また、ストラスブールからカンヌまで、県や都市、地方とフランス全土に散らばっています。
ところで、学びたい学科が決まっていなければ、フランスのどの学校や大学がいいのかが定まりません。
そこで以下では、留学にオススメの都市をメインにご紹介していきます。
- ボルドー、ボルドー大学
親しみを込めて「眠れる森の美女」というニックネームがついたフランス南西部の港町ボルドーは、留学にオススメの都市の1つです。
文化や気候のほか、ボルドーにある学界は高く評価されています。
評判の良さでは間違いありません!
ボルドー大学は、フランス最古の大学の1つで、最近以下の4つの学科が再統合されました。
- 第I: 数学、物理科学、テクノロジー
- 第II: 医学、ライフサイエンス
- 第Ⅲ: リベラルアーツ、言語学、人文学、歴史学
- 第IV: 法律、経済、経営学
- ボルドー政治学院はこのキャンパスの一部と考えられていますが、自律的に運営されています。
これらの優れた機関のほかにボルドーには数々の公立/私立の大学および大学院があり、エンジニア、経営、ビジネス、美術などの分野を学ぶことができます。
ボルドーが留学生に人気である理由の1つは、学期のはじめに大きな歓待を受けられることです。
9月に開かれる Grande Festival de Rentré と呼ばれるオリエンテーションでは、教授や講師に会うことができます。あなたも参加してみませんか?

- マルセイユ、エクス=マルセイユ大学
フランスに留学するなら、地中海に接した都市マルセイユも検討したいところ。
公式に欧州文化首都に定められたマルセイユは、2017年に欧州スポーツ首都にも指定され、さらに魅力を高めています。
エクス=マルセイユ大学は、就職に向けた準備が充実していることでも知られています。
2012年に3つの大学が合併し、フランス語圏で最大の予算を持つ最大大学となっています。
- ナント
ブルターニュに近い比較的小規模の都市ナントには、ナント大学があります。大きさではボルドー大学に負けますが、同じくらいの名声を誇っています。
この大学を留学生にオススメする理由は、教育における多様性と卓越性です。
ナントは規模の小さな都市ですがいくつもの学校があり、エコノミスト誌で「世界最高のマネジメントスクール」としてランクインした Audencia(オデンシア)もその1つです。
- モンペリエ
モンペリエはその規模はもちろん、および海外の学術界からも賞賛される質の高さを誇っています。
地中海に接し、天気がよく、建築も美しいということが、モンペリエ大学への留学・奨学金申請の理由となっています。
また、名声も高く、世界で最古の大学の1つとして知られています。
さらに、この都市のナイトライフも留学生にとっての魅力となっています。
モンペリエで医学博士取得を目指す場合、数百年の伝統を受け継ぐ学科で学べることになります。
- グルノーブル
アルプスの麓に位置するグルノーブルは、科学およびエンジニアリング系の大学が集まる主要地となっています。
欧州
ただし、留学生に一番人気である理由は、教育、就職、文化、生活の質のあらゆる面が充実しているという点です。
グルノーブルの大学生のうち留学生が16%以上を占めることからも、人気であることがわかります。
では、ソルボンヌ大学やパリ大学はどうなのでしょう?
これらの大学の国際教育は卓越性を誇っているのですが、名声が高いために留学生には手が届かない存在となっています。それは、奨学金があっても変わりません。
仮に授業料が安いとして、費用支援の必要性を証明した場合、奨学金の形で経済的援助を受けることができます。
海外留学では教科書購入や寮の家賃といった雑費が生じます。それにより全体的な出費がぐんと増えてしまうのです。
また、勉学に直接は関係しませんが、学生ビザの申請や経済的援助の申請にもお金がかかります。
ただし、ここに書かれたことだけを鵜呑みにせずに、他の情報源もチェックしましょう。このサイトでは、ヨーロッパの大学に入学している留学生によるランキングが公開されています。
さて、交換留学プログラムはあるのでしょうか?

エラスムス(ヨーロッパの大学間の交換留学制度)
このインターンシッププログラムは、教育におけるオランダの哲学者・人文主義者のエラスムスの名を由来としています。エラスムスは、市民がより広範なグローバルコミュニティと関われるように教育における弁論と明晰さを主張した人物です。日本人でも、ヨーロッパの大学に正規留学している場合は、このプログラムを利用できます。
このプログラムに参加すると、最大1年間、キャンパスおよび教室でイマージョン環境に置かれることになります。
条件を満たしていれば欧州連合のどの大学にも出願することができます。ただし、スイスだけは例外です。
海外のキャンパスで過ごした分は、母国の学校の単位に数えることができます。
このフェローシップには追加の授業料を払う必要はなく、むしろ、宿泊費および雑費の支給があります。
また、ホストファミリーを選ぶこともできます。
このプログラムの修了生は、市民としての認識およびグローバルなマインドが培われ、国外に生涯の友達ができたと報告しています。
資格や出願締め切り等の詳細について知りたい場合や、出願についてのアドバイザーと相談したいという場合は、通っている学校の学生サービス事務所に問い合わせてみましょう。
また、留学生センターや国際センターなどがある場合は、利用してみましょう。
フランス留学で、社会的責任について新たな視点を得ることができます。また、あなたと同じ考えをもった人に出会ったり、フランス語のスキルを集中的に伸ばしたりするチャンスにもなるでしょう。
頑張ってフランス語を学んできたなら、なおのことフランス留学でチャンスが広がります。
海外への冒険へ一歩踏み出しませんか?海外留学生用のプログラムを調べてみましょう!学士、修士、MBA など興味ある分野で学位を取得するのもいいですね。
ソルボンヌ大学でインターンなどというオプションも、夢ではないかもしれません。
留学すればフランス語を最大限活用し、フランス文化を十分に吸収することになるでしょう。それにより、フランス語のレッスンでの上達も期待できます。
フランスに着いてから役に立つ知っておきたいフランス語のフレーズもご紹介しています。
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