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ドラムの歴史と起源

作成者 Chieko、公開日 24/07/2019 Blog > 音楽 > ドラム > ドラムの歴史と起源

ドラムと言われると、どんなドラムを思い浮かべますか?クラシックオーケストラの大型ドラム、ティンパニー、テナードラム、スネアドラムやタムが付いたロックのドラムセット、レゲエのボンゴ、タンゴのタンバリン、伝統的なアイルランド音楽で使われるバウロン、あるいはセラミック製のポットや丸太の洞(うろ)も太鼓として使われています。

ドラムの歴史は古代の様々な打楽器にさかのぼります。これらの打楽器がどのような経緯で現在のドラムに進化してきたのか見ていきましょう。

ドラムの発明

世界最古の打楽器は、2本の棒を打ちつける鳴子(拍子木)だと言われています。時代の経過と共に棒は平たくなり、クロテイルやカスタネットのように対のシンバルの片側をくっつけた楽器も登場しました。現在までの発見されている最古の打楽器は、彫られたマンモスの骨から作られた一種のやすり、またはスキッフル(即席の楽器)です。ベルギーの遺跡である最古の打楽器の歴史は紀元前70,000年にさかのぼります。

これらの楽器は体鳴楽器または打楽器でしたが、まだドラムとしての形は確立されていませんでした。

ドラムの定義

最初に2本の棒を打ち合わせるよりも、空洞の太鼓をスティックで叩く方が大きな音が出せることに気づいた人は誰だったのでしょうか。

鉢、ひょうたん、くり抜いた木片など、ドラムには空洞で音を増幅させる共鳴腔があります。大半のドラムには伸ばした皮などで作られた振動膜もあります。バウロンなどのドラムは、小さなマレット、ドラムスティックあるいは素手で叩きます。

ドラムセットに関する記事もご覧ください。

古代エジプトやメソポタミアの打楽器

考古学において最初に文献に著されたドラムは、エジプトやメソポタミアの古代文明から発祥しました。ハンドドラムの一種である、ティンブレルと呼ばれる長方形のフレームドラムは紀元前2700年には存在したことが証明されています。

紀元前2000年頃のサマリア人の壁画には、人の身長と同じ高さの大型打楽器を演奏するふたりの司祭の姿が描かれています。

最古の有名な太鼓奏者は紀元前2280年前に生存していたマラム・シンです。彼女はウル王朝の月の寺院に司祭として仕えていました。

エジプトの太鼓と同様、メソポタミアの太鼓も素手で演奏されていました。ナイル川では、肩から長胴太鼓をかけた楽隊が登場し、踊り子や音楽家たちがタンバリンほどの大きさのフレームドラムを演奏していました。紀元前2000年前後のエジプト中王国のジェフウティの墓からは、円筒形の両面太鼓が発見されています。

しかし、これらの文明では新石器時代から太鼓を使用していたと思われますが、文書に残された最古の太鼓は紀元前5500~2350年も昔の中国の太鼓で、クロコダイルの皮が張られていました。

ギリシャやローマの打楽器

古代ギリシャにはテュンパヌムというフレームドラムがあり、このテュンパヌムが3世紀のローマでタンバリンへと進化しました。

不思議なことに、ローマ人はケトルドラムを一切使わずに、小型のハンドドラムだけを愛用していたようです。他には打楽器としてハンドシンバルクロテイルを使っていました。

現代のドラムセットの詳細は、こちらをご覧ください。

欧州における中世とルネッサンス期のドラム

現在演奏されているドラムの主流は、大半が中世またはその直後に生まれました。十字軍が中東から新しい楽器をもたらしたからです。

ケトルドラム

現在オーケストラで使用されているティンパニーは、中東が起源です。陶器の上に皮を伸ばしたポットドラムは、13世紀にネイカーと呼ばれるドラムとして欧州に伝わりました。

ケトルドラムは、様々なアンサンブルで採用されています(写真:Mikepaws on VisualHunt)

16世紀にケトルドラムがトランペットとペアで演奏されるようになると、皮を張るのにネジが使われ始めました。17世紀になると、ドラムのための精巧な曲が作られ、ドラムはオーケストラ音楽で中心的な役割を果たすようになりました。

ドラムの歴史の一部に加わりたい人は、近所のドラム教室を検索してみましょう!

スネアドラム

底面に紐または響き線が張られた両面太鼓は、中世に誕生しました。代表的な太鼓はテイバーと呼ばれる小太鼓で、肩から吊るして1本のスティックで叩きます。 もう片方の手では3穴の小型のフルートを演奏します。

テイバーは片手でフルートを演奏しながら、もう片方の手で演奏するスネアドラムです(写真: Kit Logan on Visualhunt.com)

フルートとドラムの組み合わせは、特に軍楽隊で重宝されましたが、当時はふたりが別々に演奏していました。

スネアドラムと横笛の組み合わせが最初に文書に著されたのは1386年のスイスでした。その後数世紀を経て、スネアドラムは軍楽隊の主役になりました。現在、ドラムは大型化して2本のドラムスティックで打たれるようになり、行進のリズムをとると同時にフルートで兵士たちに勇気を与えました。

ガットでできた響き線を持つ大型ドラムは合図にも使われました。

18世紀になると、スネアドラムはミュージックホールにも進出して、徐々にオーケストラでも使われるようになりました。

ディキシーランド・ジャズにより、スネアドラムは独自のドラムスタンドが付けられるようになり、ドラムセットに組み込まれました。

ガットまたは紐で作られていた響き線(スナッピー)は金属製になり、シェル(胴体)は木、合成素材、金属が用いられるようになりました。

現在、スネアドラムにはシェルが浅いピッコロ、シェルが深くドラムキーにより張力が高いマーチングドラム、パイプバンド、マーチングドラムの1/3から半分の奥行きしかないドラムセットスネア、ブラジルのサンバで使われる上面に響き線があるマラカシェッタ・カイシャなど色んな種類があります。スネアドラムは音質が異なるドラムスティックやブラシで叩きます。

世界で有名なドラム奏者も参考にしてください。

バスドラム

バスドラム(別称キックドラム)はトルコで誕生しました。バスドラムの原型は両面円形太鼓「ダヴル」です。スティックの片端にはパッドが付いていなく、逆端は平らです。バスドラムは従来のドラムより深い音を出し、首に対して垂直なので、両面を同時に叩けます。

ダヴルやタブラは少なくとも14世紀には既に存在していたことが判明しています。ダヴルの最古の絵画は1502年までさかのぼります。これらの太鼓は軍楽隊やトルコの伝統音楽で使われていました。

バスドラムは18世紀のオスマン帝国の拡大に伴い欧州に伝わり、軍楽隊に組み込まれました。作曲家は作品にバスドラムを採り入れるようになりました。代表的な曲にはモーツァルトの『後宮からの誘拐』があります。

硬いスティックの代わりにパッド付のマレットが使われるようになると、バスドラムはオーケストラの主役になりました。通常、オーケストラでは行進用より大型のドラムが使われます。1830年にベルリオーズが『幻想即興曲』で初めてドラムロールを採用すると、これはクラシック音楽のスタンダードとなりました。バスドラムはドラムスタンドの上に配置され、ここで演奏者のニーズに合わせてヘッドの角度を調節できます。また、紐に代わりネジで張るようになりました。

19世紀には、ゴングのように片面だけヘッドを垂直に張ったゴングドラムも人気でした。

キックドラム

ジャズの台頭によりドラムセットが主流となり、バスドラムはリズム・セクションにおけるドラムセットの一部となりました。バスドラムはドラムペダルを使うので、ひとりの奏者が同時に複数の楽器を演奏できます。ペダルはジャズの中で考案され、オーケストラの演奏家も、自分のニーズに合わせて自宅で使用していました。しかしラグタイムの速いリズムに合わせるためには、もっと効率的なペダルが必要でした。

ダブルバスドラムなど、ペダルは打楽器の進化に貢献しました(写真:steviep187 on Visualhunt)

1909年に、ラディック・ドラム・カンパニーはバスドラム用ペダルの改良バージョンの特許を取得しました。初期バージョンには、フープ部取付用シンバルのペダルも付属していました。

アフリカにおける太鼓の歴史と起源

アフリカンミュージックと聞くと、太鼓を連想します。アフリカ大陸には他の楽器もたくさんありますが、多くの儀式や祝い事では太鼓が演奏されます。

アフリカの太鼓「ジャンベ」

ジャンベの胴は1本の硬い木をくりぬいて作られ、ヤギの皮が張られます。他の動物の生皮が使われる場合もあります。一般に、牛皮などの厚い皮は暖かみのある音調でヤギなどの薄い皮は響きが少ない鋭い音が出ます。

ジャンベは西アフリカが発祥地で、400年から800年ほど前に考案されたと考えられています。マリ帝国時代に「ヌム」と呼ばれる鍛冶屋により創作されたと伝えられています。

西アフリカの一部の地域では、現在でもジャンベの演奏は特定の一族だけの職業です。

ギニア、マリ、ブルキナファソ、コートジボワール、ガンビア、セネガルなど旧マリ帝国が存在した地域では、特に1960年代にギニア国立アフリカ・バレエ団が欧州ツアーでジャンベを使ってから、広く知られるようになりました。西アフリカから多くの移民がジャンベを米国に持ち込み、現代のアーティストの間で人気が高まりました。

初心者でも弾けるドラムソングもご覧ください。

トーキングドラム

西アフリカのドラムとしてはトーキングドラムも国際的に有名な打楽器です。これはセネガル、ナイジェリア、ベナン、ガーナ、北カメルーン、チャド西部の伝統的な楽器です。

西アフリカ原産のトーキングドラムは、曲がったマレットで叩きます(写真:africanstlibrarybu on Visual hunt)

トーキングドラムは砂時計のような形状をしていて、皮を張ったコードで接続された片面または両面の胴体があります。このコードを使ってドラムのピッチを調節します。奏者は腕の下で太鼓を支え、テンションコードを押し下げてドラムビート内でピッチを変化させます。このドラムは曲がったスティックで演奏します。

このドラムは人の声調を模倣することからトーキングドラムという名前が付けられましたが、もちろん母音と子音を区別できるわけではありません。

また、トーキングドラムには独自の言語があり、村での意思伝達に使われました。太鼓を演奏することはメッセージを伝えることばや定型句を学習することを意味します。ドラムの言語で詩や物語を伝える一種のドラム文学まで存在しました。

詳細は、ドラムについての豆知識をご覧ください。

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