初期のクラシックオーケストラでは打楽器奏者は特定の楽器を担当していましたが、時代の移り変わりと共にドラム奏者は楽器を組み合わせてひとりで複数の楽器を同時に演奏するようになりました。ドラムペダルの発明により、複数のスタンド支持ドラム、フロアタム、スタンド、シンバルペダルを組み合わせ、低音から高音までバリエーションを増やせるようになりました。
その後、ドラムセットの原型が誕生しました。しかし打楽器の種類はとても多いため、ドラムレッスンを受ける場合に、初心者として最初にどのドラムを購入するべきか悩んでしまう人も多いでしょう。
ドラムセットの構成
ドラムセットの構成は音楽のジャンルにより多少異なりますが、便利なドラムセットとして購入できます。ドラムの腕が上達したら、フロアタムはグレッチ製カタリナバーチ、シンバルはマイネル製Byzance Jazzハイハットシンバル、タムはヤマハ製ステージカスタムなど自分で組み合わせたくなる人もいるでしょう。しかし初心者のうちは、この記事に掲載されたドラムセットについてのガイドを参考にしてください。
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ジュニア用ドラムセット
ドラムを始めたばかりで音楽に関する知識が少ない人や、子供用のドラムセットを探している人は、ジュニア用ドラムセットを試してみてください。
ドラムを続けていく決心がついたら、他のドラムやシンバルを追加するか、現在持っているジュニア用ドラムセットを他の初心者に売り渡しましょう。中級レベルまで上達したら、自分のレベルに合った新しいドラムセットの購入を検討しましょう。ドラム演奏の感覚をつかみ、スティックさばきとリズムを習得するには、基本的なドラムセットで十分です。
ジュニア用ドラムセットは、下記のスリーピースから構成されています。
- スネアドラム
- バスドラム
- スタンド固定タム
- ハイハット
- スタンド固定シンバル
- ドラムスローン(椅子)
基本的なアコースティックドラムセット
基本的なドラムセットはスタンダードで、音楽ジャンル間の主な違いは楽器の数、ドラムの寸法、材質です。
適切なサイズは5ピースのドラムセットで、必要に応じて拡張できます。特にプロのロックバンドのドラマーは自分のドラムセットをカスタマイズすることが好きです。しかしほとんどの曲は5ピースのドラムセットのバリエーションで演奏できます。
初心者の人も、簡単なドラムソングでドラムを練習できます。
オーソドックスなドラムセットには、下記のパーツが含まれます。
- バスドラム
- スネアドラム
- ローピッチ、ミドルピッチ、ハイピッチタム(全てバスドラムの上部にセットされている場合もフロアタムが含まれる場合もあり、ジャズ、ロック、フュージョンなど音楽のジャンルにより組み合わせが異なります)
- クラッシュシンバル(2枚)
- ハイハットシンバル
- エフェクトシンバル
- ドラムスローン(椅子)
バスドラムとキックドラム
バスドラム は円筒形の大型な打楽器で、コンサートティンパニーなどの他のローピッチドラムと比較すると、寸法より胴の奥行きがかなる短くなっています。サイズは様々ですが、サイズよりも材質など他の要素の方が音の違いに与える影響は大きくなります。
音の重厚さは直径やドラムのシェル(胴)の厚さ、材質(カバノキ、マホガニー、金属)、木目の向きにより変わります。ドラムへの膜の張り方によってもピッチに影響が出ます。
一般的に、バスドラムは下記のドラムスティックで演奏されます。
- フェルトチップ付きマレット
- マレット&ルーテ
- ペアマレット
- ドラムロール用両端ヘッド付きマレット
- ビーター(ペダル動作用マレット)
バスドラムは主に下記の3種類に分類されます。
コンサートドラム
コンサートバスドラムは両面太鼓でロッドが張られています。通常は寸法40インチで胴の奥行きが20インチです。
コンサートバスドラムはスタンドに取り付け、水平から垂直に角度を調整できます。
音量は大きく、いくらか反響します。
キックドラム
通常、ドラムセットのバスドラムはコンサートドラムより小型で、直径は16~28インチ、胴の奥行きは12~22インチです。ここ20年の一般的なサイズは20 x 14インチでしたが、最近は22 x 18 インチが主流です。

キックドラムの名前は、ドラムセットの一部としてバスドラムの音を出すために使われたドラムペダルに由来します。キックドラムではペダルは床に配置され、ドラム本体はスタンドに垂直にかけられます。ドラムペダルはドラマーが最初に開発して、それからドラムセットの原型を使うミュージックホールバンドの数が増えるにつれ、市販化 されるようになりました。ラディック社は世界初の高速バスペダルを開発したことで知られています。
ドラムの歴史についても学習しましょう。
現在では多くのロックドラマーがドラムセットでダブル・ベース・ドラムを使っているため、当然ツインペダルが必要となります。ツインペダルは最初にジャズで導入されて、現在ではフュージョン、ロック、パンクバンドでも一般的に使われています。
ドラムセットで使用されるバスドラムでは、音を小さくするためにマッフルヘッドが使われる場合があります。
マーチングドラム
マーチングバンドで使うバスドラムはストラップで垂直に吊るし、通常は複数のドラムが異なるピッチで演奏されます。リズムを合わせるために使われますが、主要なメロディーラインを担当する場合もあります。
スネアドラム
スネアドラムは直径14~16インチで奥行きが9~16インチの円筒形の両面にヘッドが張られたドラムで、シェル(胴)は木製または金属製です。
本来、ドラムヘッドは牛革製でしたが、現在ではマイラーフィルムが一般的です。
スネアドラムは、裏皮の下に響き線(スナッピー)と呼ばれる金属の線がコイル状に巻かれているのが特徴です。タロールスネアでは、響き線は上皮の下に巻かれています。

スネアドラムは軍楽隊で導入され、時には合図のために使われました。ドラムスティック、ブラシ、ルーテで演奏すると歯切れの良い短音が出ます。
スネアドラムのテクニックとしては、ドラムロールとリムショットが有名です。クラシックロックのリズムでは、よくバックビートに使われています。
スネアドラムには、下記を含めた豊富なバリエーションがあります。
- マーチングスネア:ストラップで吊るすタイプの12 x 14インチのスネアで、よくハイテンションドラムキーと使われます
- パイプバンドスネア:バグパイプ伴奏用で、演奏にはスキルと同時に高いパフォーマンスも求められます
- ドラムセットスネア:直径14インチ、奥行きは様々で、スタンドに固定して使用します
- ピッコロスネア:ソプラノ、ポップコーン、スタンダードなどのタイプがあり、ハイピッチを好むドラマーが使用します
ドラムについての基礎知識もご覧ください。
タム
タムは響き線がない円筒状の太鼓です。多くのタムはフープやチューニングラグでチューニングできます。大半のタムは両面太鼓です。
一般的に、タムはドラムフィルに使われます。
アコースティックドラムセットのタムは音楽ジャンルにより数や種類が異なります。
音楽ジャンル | 寸法 | スタイル |
---|---|---|
アコースティック (1950 & 1960年代) | 様々 | セットタム1台&フロアタム1台 |
ロック | 12~13インチ吊り下げ | セットタム&フロアタム |
フュージョン | 10、12、14インチ | 14インチ セットタムまたはフロアタム |
タムのシェル(胴)はマホガニーなど色んな木材が使われ、1層や無垢の木材もありますが、大半はラッカーが塗られています。ファイバーグラス、アクリルグラス、樹脂複合材などの人口素材は、通常は積層プラスチック仕上げになっています。
セットタム
セットタムまたはラックタムは、スタンドやラックで固定します。

片面のセットタムはコンサートタムと呼ばれます。1枚皮のタムには他にもオクタバンがあります。オクタバンのシェルはとても長く、本来はラック上に8台のタムがセットアップされていたため、この名前が付けられました。
他にもシェルがないロートタムというセットタムがあります。ロートタムは基本的にスチール製のフレームがあり、片面です。
フロアタム
フロアタムは両面太鼓で、幅が広いほど音が低くなります。3脚スタンドに立て、右利きのドラマーの場合はドラマーの右側に置かれます。
ドラムセットの構成もご確認ください。
シンバル
ドラムセットの最後のパーツはシンバルです。シンバルはシンバルスタンドとペダルの発明によりパーカッション楽器に普及しました。ドラマーはスタンドとペダルにより片手または踵でシンバルを打てるようになり、複雑な打楽器演奏が可能になりました。
パーカッションのセットで使われるシンバルには、いくつかの種類があります。
ハイハット
ハイハットシンバルは、廃位ハットスタンドへ水平に取り付けられるペアのシンバルです。ボトムシンバルは固定されたままで、フットペダルでトップシンバルを操作します。

このタイプのシンバルは、本来は床に設定されバネ構造で操作されるソックシンバルが進化した楽器です。専用のショートスタンド(ローボーイ)に載せ、スティックやフットペダルでシンバルを鳴らせるように高い位置にセッティングされます。「ハイハット」という用語が定着する前は、このセットアップはハイソックと呼ばれていました。
ハイハットシンバルはリズム内のビートやアクセントを刻むために用いられます。スティックを使って「オープン」、「クローズ」、「ハーフオープン」状態で演奏されます。
ライドシンバル
ライドシンバルもハイハットシンバルと同じような用途で使われますが、ライドシンバルは1枚なので音はあまり変えられません。しかし余韻が長く、「ライド・ビート(ビートをのせる)」という意味からこの名前が付けられました。
ライドシンバルには複数の種類があり、それぞれ形状や音も少し異なります。
- フラットライド:乾いた音質とはっきりした音が特徴
- スウィッシュ&パングシンバル:チャイナシンバルに似た音色
- シズルシンバル:細く音量が多い独特の響き
クラッシュシンバル
ライドシンバルがビートに乗ってリズムで使われるのに対し、クラッシュシンバルはインパクトのある大音量を出すために使われます。両手で2枚を打ち合わせる場合や、1枚のシンバルとしてドラムセットの中でスタンドに載せて使う場合があります。

チャイナシンバル
チャイナシンバルは立ち上がりが速く軽快な音を出し、通常はスタンドに表裏逆でセットされます。ベル(中央の盛り上がった部分)がありますが、テーパーはありません。このシンバルはチャイナゴングに似ているため、この名前が付けられました。
電子ドラムセット
電子楽器については過去にいくつかの試作がありましたが、最初の本格的な電子ドラムは1970年代前半にムーディー・ブルースのドラム担当だったグレアム・エッジにより発明されました。
通常、電子ドラムセットは従来のドラムセットと同じようにセッティングされますが、好きな打楽器の音を出せるように各ドラムをプログラミングできます。
基本的に、各モジュールは叩くと電子音が出るドラムパッドです。最初のパッドはゴムでコーティングされていましたが、ローランド社が「Vドラム」シリーズでアコースティックドラムと同じ跳ね返りがあるメッシュ・ヘッドを導入しました。
電子ドラムにはメイプル材のドラムからカウベルまで、あらゆる打楽器の音が出せるという利点がある上、練習時には近所迷惑にならないようにヘッドフォンを使って演奏できます。しかし、アコースティックドラムの音を完璧に再現しているわけではなく、ドラマーにより好みが分かれます。
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