Chapters
- 01. 北米のイタリア料理
- 02. 南米のイタリア料理
- 03. 欧州のイタリア料理
- 04. イタリア料理が世界中に広まった理由
イタリア料理ほど世界中で人気のある料理はあまりありません。
ピザ、パスタ、アイスクリーム、ヘルシーな料理は、イタリア料理だけが誇れる逸品です。
実際、イタリア料理はそのシンプルさと地中海料理の風味、大衆性で、グローバル料理としての地位を確立しています。
毎年フジッリ、ペンネ、スパゲッティ、ラビオリを含めて140億食ものパスタが消費されています。

カルボナーラパスタは世界中でつくられているひと皿ですが、多数のイタリア人は、レシピに生クリームが使われていることを苦々しく思っています。オリジナルのレシピでは、材料はパスタ、ベーコン、パルメザンチーズ、卵だけです。
イタリアから世界各地への移民の流入により、伝統的なイタリア料理は世界中に広まりました。
この記事では、イタリアから各国に伝わった料理と、新しい定住の地で変化したイタリア料理について味覚を刺激する内容をお伝えします。
ピザやパスタ以外のイタリア料理
北米のイタリア料理
米国やカナダはイタリアの影響を色濃く受けています。ニューヨーク市マンハッタンにあるリトル・イタリーを例に挙げてみましょう。
この活気に溢れたイタリア人街は、ビッグアップルや自由の女神と並び、見逃せない観光地です。「リトル・イタリー」は、過去2回の大規模な移民流入の後、多くのイタリア人移民が定住した場所です。
- 1860年から1930年の間、多くのイタリア人が祖国からアメリカに移住しました
- 1950年代には、欧州からアメリカ大陸への移民の波がありました
イタリア人たちは健康、社会情勢、経済上の理由からもっと良い暮らしを求めてイタリアを去りましたが、世界中の多くの人にとって幸いだったことに、移民たちはニョッキ、フォカッチャ、パルマハム、本家のイタリア料理を持ち込み、この有名なイタリア人街を形成したのです。
現在、マンハッタンのイタリア人街はイタリア人だけではなくイタリア系米国人や他の国籍を持つ人たちの故郷ですが、イタリア本国と同様に生パスタや他のイタリア料理を提供するイタリア系アメリカ料理のレストランが軒を連ねています。

ペスト・ジェノヴェーゼ(松の実とバジルでつくるソース)、マスカルポーネ、ゴルゴンゾーラ、自宅でイタリア料理を作るために必要なその他の食材は、イタリアンデリで入手できます。
サン・ジェナーロ祭は、今でもイタリア人街で開催されています。この縁日では11日間にわたり、イタリア料理と伝統を称えます。パスタ大食い大会にも参加できますよ。
米国とカナダにある他のイタリア人街
- イタリアンレストランやデリが軒を連ねるセントルイスのザ・ヒル
- イタリアのアートギャラリーや昔ながらのトラットリア(イタリアの大衆食堂)がある、クリーブランドのリトル・イタリー
- ピザ屋やイタリアンアイスクリームのパーラーが並ぶ、プロビデンスのフェデラル・ヒル
- イタリアンカフェやトラットリアが立ち並ぶモントリオールのプティット・イタリー
- イタリアからの移民の祖先が住む小さなイタリア人街であるトロントのリトル・イタリー
北米の食事やレストランは、イタリア料理の影響を強く受けています。ピザ、パスタ、リゾットを出す店を探すのに苦労しません。
南米のイタリア料理
アルゼンチンの首都であるブエノスアイレスには、世界で最も多くのイタリア系移民の祖先が集まっています。
実際、アルゼンチン料理はイタリア料理の強い影響を受けていて、ピザやパスタは伝統的なアルゼンチン料理のレストランのメニューにも載っています。
牛肉にパルメザンチーズ、小麦粉、パン粉をまぶすミラノ風カツレツは、代表的なアルゼンチン料理になっています。

アルゼンチン人は、毎月29日にニョッキを食べます。これは給料日前で多くの家庭では台所にニョッキの材料しか残っていないからです。ポレンタも、アルゼンチンの家庭ではよく調理されています。北米と異なり、ブエノスアイレスにはリトル・イタリーはありませんが、街のあらゆるところにイタリア文化の影響が感じられます。実際、最大規模のイタリア人移民の流入後、ブエノスアイレスの住民の半数近く(45%)がイタリア人で、イタリア人を祖先にもつアルゼンチン人の割合は2/3近く(63%)にも及びます。
他の南米諸国ではイタリアの影響はアルゼンチンほど強くありませんが、それでもボリビア、チリ、ペルーのレストランではミラノ風カツレツがメニューに掲載されています。
ミラノ風カツレツにトマトソースをかける場合もありますが、基本的な食材は変わりません。
欧州のイタリア料理
TripAdvisorでは、イタリア料理は1番人気があります。イタリア料理は英国、フランス、ベルギー、ドイツでは一般的によく食べられています。
これは20世紀における上記の国へのイタリア人の移住と関連があります。ロンドン、パリ、ブリュッセル、ベルリンでは、次のことを簡単に実行できます。
- イタリアンレストランやトラットリアで食事をすること
- イタリアンデリでイタリア料理を買うこと
- イタリア人シェフが教えるイタリア料理講座を受けること
イタリア人は簡単に移住して伝統的なイタリア料理を国外に持ち出すことができるようになりました。

アンティパスト、プリモ・ピアット、セコンド・ピアットの形式で料理を出すレストランの数は増えています。
イタリア料理ではメイン(主菜)はふたつあります。アペリティーヴォ(食前酒)だけではなく、メインの後のリモンチェッロ(レモンのリキュール)も欠かせません。 2016年の夏には、スプリッツというベネチアのカクテルが大きな売り上げを記録しました。
アルコールに関しては、イタリアにはプロセッコというシャンパンに似た白のスパークリングワインがあります。
イタリアは世界最大のワイン生産地です。
最近、世界各地のイタリアンレストランには、イタリアの伝統的な調理法に従っていない店が増えています。
これに対して、イタリア直伝の伝統的なレシピを推奨するイタリアンシェフの数は増えています。スパゲッティ・ボロネーゼはトマトソースだけではなく、必ず挽肉やミートボールを加えます。試してみてください。
来日した多数のイタリアンシェフが、イタリア料理の神髄を見せてくれます。本物のイタリア料理を食べて、違いを味わってみましょう。
イタリア料理が世界中に広まった理由
イタリア料理は世界で最も人気がある料理ですが、自分の味覚に従えば、その理由は簡単に理解できるでしょう。
イタリア料理はシンプルで天然素材が使われていて、家庭料理が源になっています。オリーブオイル、チーズ、シャルキュトリ(パルマハムやプロシュートなどの加工肉)は前菜と主菜の両方に使われ、どちらも美味しくて調理は簡単です。
バジル、ニンニク、チェリートマト、マッシュルームなどは伝統的なパスタ料理からナポリピザまで様々なイタリア料理に使われています。また、イタリア料理はヘルシーであることでも知られています。
モデナ産バルサミコ酢、シチリア産ブラッドオレンジ、ゴルゴンゾーラ、グラナ・パダーノ、モッツァレラディブッファラ等のチーズやモルタデッラ(ソーセージ)やパンチェッタなどの肉を含め、イタリアにはPDO(原産地名称保護)に指定された多数の製品があります。 これらの製品がイタリア産でなければ、その名称を名乗れません。
一般のモッツァレラチーズとモッツァレラディブッファラの間には、はっきりとした違いがあります。

世界中でのイタリア料理の繁栄を裏付ける証として、2016年に105ヶ国で開催された イタリアンレストランウィークが挙げられます。英国、米国、フランスその他多くの国でイタリア料理を祝うイベントが開催されました。
イタリアンレストランウィーク開催の目的
- 伝統的なイタリア料理の普及
- イタリア料理の調理法の伝授
- イタリアと他の国との間の連携の強化
国外のイタリア大使、イタリア人シェフ、学生までがイタリア文化の普及のために活動しています。
2017年にはイタリア料理専門のテーマパークが開設されたことを考えると、イタリア料理の人気は当分衰えそうもありません。レストラン、デリ、屋台でイタリア料理の調理法を見ることができますが、もっと大切なことは味わってみることです。
伝統的なイタリア料理を試したい場合、チーズのセレクションやワインのテイスティングを試してみましょう。これらのイベントは、グルメやローラーコースターが嫌いな人にとって夢の国のようなものです。
ボローニャまで行けなくても、ラザニアやシーフードが好きな方にも、ベジタリアンの方にも、野菜の詰め物など何かしらお気に入りのイタリア料理が見つかります。
食事を終えたら、ティラミスやパンナコッタはいかがでしょうか。イタリアンデザートは、どれも絶品です!
確かにイタリアンレストランは最高ですが、イタリア料理の神髄は家庭料理なので、ぜひ自分で挑戦してみてください。料理ができない人でも、イタリア料理のチュートリアルでプライベートレッスンの講師を検索できます。
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